プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)住民移転のための環境社会配慮能力強化プロジェクト
(英)Project on Capacity Enhancement of Environmental and Social Considerations for Resettlement

対象国名

カンボジア

署名日(実施合意)

2010年1月29日

プロジェクトサイト

カンボジア全土(プロジェクト事務所はプノンペン市内)

協力期間

2010年4月1日から2012年3月31日

相手国機関名

(和)経済財務省住民移転局
(英)Ministry of Economic and Finance (MEF), Resettlement Department (RD)

日本側協力機関名

国土交通省

背景

「カ」国では、経済成長に伴い物流に対する需要が増加しており、一層の経済成長を促すためには運輸交通インフラの更なる整備が重要となっているが、その実施には環境社会配慮の確保が不可欠である。

「カ」国で中央省庁が実施する公共事業に伴う住民移転は、MEF内に設置されているRDが一元的に対応しており、開発事業に伴う住民移転対応方針を検討する省庁間住民移転委員会(Inter-ministerial Resettlement Committee;IRC)の事務局を担っている。なお、住民移転に係る実務はRD内の各担当課(二国間プロジェクト課、多国間プロジェクト課、政府プロジェクト課)が住民移転の実務を担当している。また、個別の開発事業で発生している住民移転に係る対応方針を検討する省庁間住民移転委員会(IRC)は、RDが事務局を担っている。

「カ」国政府はMEFや関連省庁を通じた個別案件への対応を行いつつ、先般、2009年12月28日に「収用法」が国民議会で承認されたことを受け、「開発事業に伴う社会的経済的影響への対応にかかる副法令」(以下、「副法令」という)(Sub-degree on Addressing Socio-Economic Impact Caused by Development Projects)の法制化に向けた改訂作業を開始している。同副法令が施行されれば、RDの所掌範囲が市や州が実施する開発事業まで拡大することが想定されており、住民移転にかかる政策立案を担うRD職員の能力向上と、系統的な実施細則等の整備を通じた環境社会配慮実施体制の強化が喫緊の課題となっている。

かかる背景から、「カ」国政府よりわが国に対し、経済財務省を中心とした関連政府機関による住民移転政策の改善に資する技術支援の要請が提出された。日本政府による案件実施の採択を受けて、JICAは第1次詳細計画策定調査団を「カ」国に派遣し、「カ」政府から要請のあった技術協力プロジェクトの協力要請の背景、内容を確認し、先方政府関係機関(経済財務省住民移転局や公共事業運輸省等)との協議を経て、2009年10月28日に協議議事録(Minutes of Meeting)の署名交換を行った。

目標

上位目標:

カンボジア政府が、同国の法令を遵守した統一的な方法で住民移転に関する方針に基づいて移転を実施することができる。

プロジェクト目標:

経済財務省住民移転局(RD)の住民移転に関する能力が強化される。

成果

  1. 住民移転局の現状や要望がレビューされ、評価が行われ、フォローアップされる。
  2. 環境社会配慮の理解に関する能力が強化される。
  3. 情報管理に関する能力が向上する。
  4. 住民移転に関する計画・実施能力が強化される。
  5. 効果的な住民参加を促進する能力が向上する。

活動

1-1
ベースライン調査を行い、ベースライン調査の分析結果に基づいてProject Design Matrix(PDM)の各指標を再定義・修正し、改定PDMに基づいて実施計画(Plan of Operation, PO)を見直す。
1-2
機材調達計画を含む年間活動計画案と四半期活動計画案を策定する。
1-3
同計画案を四半期ごとに進捗管理委員会(Executive Committee, EC)を開催し、計画案の承認を得た上で、計画案に従って資機材を調達し、同機材を適切に管理する。
1-4
合同調整委員会(Joint Coordinating Committee, JCC)を年1回開催し、活動実績や達成成果を報告するとともに、年間活動計画を提出し承認を得る。
1-5
PDM とPOに従いプロジェクト活動のモニタリングを実施する。
1-6
研修ニーズ調査(TNA)を実施し、調査結果に基づき全体研修計画を策定し、研修を実施する。
2-1
住民移転セミナー及び環境社会配慮に関する基礎研修を開催する。
2-2
第三国を訪問し、住民移転に関する技術交換を実施する。
2-3
住民移転に関する技術の習得を目的とし、本邦研修を実施関する。
2-4
JICA-IRC(Inter-ministerial Resettlement Committee)定例会へ出席する。
2-5
カンボジア国内の住民移転現場を視察する。
3-1
住民移転局が実施しているプロジェクトの情報を収集する。
3-2
各ドナーの政策やガイドラインなどの情報を収集する。
3-3
カンボジアにおける関連法令、規則、内規などの情報を収集する。
3-4
住民移転局が実施しているプロジェクトの事業管理ツールを検討する。
4-1
住民移転計画(Resettlement Action Plan, RAP)に関する標準住民移転手順書(Basic Resettlement Procedures, BRP)を検討し策定する。
4-2
移転地選定手法(Relocation Site Preparation, RSP)に関するBRPを検討し策定する。
4-3
再取得価格(Replacement Cost Survey, RCS)に関するBRPを検討し策定する。
4-4
苦情処理システム(Grievance Redress System, GRS)に関するBRPを検討し策定する。
4-5
シンプルサーベイ(Simple Survey, SS)に関するBRPを検討し策定する。
4-6
詳細資産調査(Detailed Measurement Survey, DMS)に関するBRPを検討し策定する。
4-7
住民移転局の職員に対し、策定されたBRPを説明会を通じて普及する。
5-1
住民説明会及び住民対話のOJTを実施する。
5-2
住民参加手法(Public Participation, PP)に関するBRPを検討し策定する。
5-3
住民移転局の職員に対し、策定されたBRPを説明会を通じて普及する。

投入

日本側投入

  • 長期専門家:チーフアドバイザー/環境社会配慮(24人月)、住民参加型計画及び開発(22.5人月)、業務調整(20人月)
  • 短期専門家: 社会配慮手法(3人月)、研修計画/組織制度(2.17人月)、住民移転計画(3人月)、社会調査/モニタリング(2人月)、 移転補償/資産評価(2人月)
  • 機材供与:データ処理用パソコン、記録用ビデオカメラ、測量機器(トータルステーション)等
  • 本邦研修:計10名(5名×2回)
  • 在外事業強化費:研修開催経費、研修実施に必要な資機材経費、標準住民移転書改訂経費、国内現踏査出張旅費、第三国との技術交換出張旅費等

相手国側投入

  • カウンターパートの配置:常勤1名を含む計6名(主に経済財務省住民移転局、その他作業内容に応じて必要な人材が専門家の要請に基づきRDの各部局から配置される)
  • プロジェクトに必要な土地、施設、機材等の提供:MEF省内の専門家執務室、カウンターパート用執務室、研修用会議室等