2012年11月30日
水道事業人材育成プロジェクト・フェーズ3が2012年11月より開始となりました。これまで、第1フェーズ(2003年10月〜2006年10月)では、プノンペン水道公社(PPWSA:Phnom Penh Water Supply Authority)において、水道施設の運転・維持管理能力の向上を目標として協力を実施しました。その後、第2フェーズ(2007年5月〜2012年3月)では、その能力を飛躍的に向上させ、アジアにおける最良の水道事業体の一つとなったPPWSAと共に、カンボジアの地方8都市(シェムリアップ、バッタンバン、コンポンチャム、コンポントム、カンポット、プルサット、シハヌークビル、スヴァイリエン) の水道局において、水道施設の運転・維持管理に携わる技術者の育成を実施してきました。そして、本フェーズでは、第2フェーズで支援した地方8都市の水道局及び監督機関である鉱工業エネルギー省(MIME:Ministry of Industry, Mines and Energy)を対象に、水道事業の経営管理面の能力向上に焦点をあてた技術協力を実施し、健全かつ安定した水道事業の経営および安全な水へのアクセス向上を目指します。本プロジェクトの開始にあたって長期専門家としてチーフアドバイザー及び業務調整/モニタリング専門家の2名が着任しました。
北九州市上下水道局から派遣され、2012年11月12日にチーフアドバイザーとしてカンボジアに赴任しました。JICA関係者の皆様、カウンターパートとなる鉱工業エネルギー省の皆様のご協力によりスムーズなスタートを切ることができ、心から御礼申し上げます。 北九州市では、2011年に水道敷設100周年を迎えましたが、その過程で様々な社会環境の変化に対応しながら経営の在り方を見直し、持続可能な水道サービスの実現に向け不断の努力を続けてきました。 今後5年間、その長い歴史の中で培った経験の中から、後年にわたってカンボジア国で役立つ知恵となっていくものを伝えていきたいと思っています。10年後、20年後にこの国の水道はどのようになっていくのか。その姿に思いを馳せながら、情熱をもって今後のプロジェクトを進めていきます。
これまで、JICAカンボジア事務所での水セクター担当者として、上下水道分野の案件形成や事業管理、都市水道分野の援助協調の調整機関となるワーキンググループ の立ち上げと実施支援等々にかかわって来ました。今度は、プロジェクト専門家として、カウンターパートと同じ職場で、彼らと一緒に業務が行えることを嬉しく思っております。
カウンターパートであるタン・ソクチア水道部長の「今こそ、カンボジアの水道を改革する時である。その為には、このプロジェクトが重要であり、何としてでも成功させなければならない。」という思いを支援すべく、チーフアドバイザーと短期専門家そしてMIME及び地方水道局のスタッフと共に本プロジェクトを通して、カンボジア水道の発展に貢献していきたいと思っております。
今後、現場からの情報を随時発信していきますので、ご支援よろしくお願い致します。