プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)民法・民事訴訟法普及プロジェクト
(英)Legal and Judicial Development (Phase IV)

対象国名

カンボジア

署名日(実施合意)

2012年1月4日

協力期間

2012年4月1日から2017年3月31日

相手国機関名

(和)司法省
(英)Ministry of Justice (MOJ)

背景

(1)当該国における法・司法セクターの現状と課題
カンボジアにおいては、20年にわたる内戦により、1991年の内戦終結時には既存の司法制度が壊滅状態にあり、法曹人材も一桁程度しか生存していないと言われる状況であった。このような中、カンボジア政府は、「法の支配」の確立のための法整備・法司法改革を国家の重要課題の一つとして位置づけてきた。
JICAは、かかる状況下、1999年から現在まで12年に亘り、民法及び民事訴訟法の起草を法制度整備プロジェクトフェーズ1(1999年〜2003年)にて、また両法の立法化と付属法令の起草をフェーズ2(2004年〜2008年)にて、更に両法案がカンボジア国内において適切に運用されるために必要となる関連法令の起草及び普及活動をフェーズ3(2008年〜2012年)にて、一貫して支援してきた。
また、司法省を通じた支援に加え、弁護士会及び弁護士養成校並びに王立裁判官・検察官養成校(Royal School for Judges and Prosecutors、「以下RSJP」)に対して、法曹人材の育成支援を進めてきた。2011年度時点の同国の法曹人口は1,100名(裁判官271名、検察官144名、弁護士754名)にのぼるが、このうち、裁判官・検察官養成校にて日本の支援する新しい民事教育を受けた裁判官・検察官は235名、同じく弁護士養成校にて日本の支援を通じ新たに養成された弁護士は359名に上る。
JICAが起草を支援した民法は、2007年の成立後、関連法令の整備をもって、2011年12月に適用開始となった。今後、その適切な運用を確保するためには、特に運用の中心的役割を担う裁判官、弁護士、司法省職員が民法・民事訴訟法の理解をさらに深めることが必要である。

(2)当該国における法・司法セクターの開発政策と本事業の位置づけ
カンボジアにおいて、法・司法セクターの開発は、「第二期四辺形戦略」(2008年)、「改訂国家戦略開発計画(NSDP)2009-2013」、「法制度司法制度改革短期・中期行動計画(2005年)」などにおいて明確に位置づけられている。各計画、戦略は国家司法改革評議会主導のもとで着実に実施に移されており、その重要性は非常に高い。
本事業はこれまでJICAが支援してきた民事関連法令の適切な運用を確実なものとするために、中核となる法律実務家及び司法省職員の体系的理解促進と能力強化を目指しており、当該国の法・司法セクターの開発にとって、基幹となる部分への支援である。

目標

上位目標

カンボジアの司法関係者および行政機関職員が民法、民事訴訟法及び関連法令を適切に解釈、運用するとともに、将来自立的、持続的に現行法の運用及び新法の起草を行えるようになる。

プロジェクト目標

司法省職員及び法曹の、民事法に関する体系的理解が深まり、その適切な解釈・自立的な運用ができる能力が強化される。

成果

1.司法省(MOJ)、王立司法学院(RAJP)、カンボジア弁護士会(BAKC)、王立法律経済大学(RULE)にて民法・民事訴訟法を体系的に理解し、運用できる中核人材が育成される。
2.各ワーキンググループメンバーが合同で参加するジョイントワーキンググループにて、民法及び民事訴訟法に関する知識が共有され、実務上の問題に関する共通認識が形成されるとともに、ワーキンググループメンバーのトレーナーとしての能力が向上する。
3.司法省が内部・外部からの照会や質問及び、民事関連法令の起草・改正に対し、民法・民事訴訟法の適切な運用に必要な範囲で、回答・対応する体制及び能力が整備、育成される。
4.民法関連不動産登記共同省令が成立し、適切な運用のために必要な知識の普及が行われる。

活動

活動1:民法・民事訴訟法に関する体系的な理解を促進するため、各機関毎のワーキンググループを設置し、毎週1回程度、それぞれの熟達度に応じて、日本人専門家による講義や実際の事例等に基づいた討議を行う。また、各ワーキンググループ合同で開催するにおける発表準備を行う。(各ワーキンググループは、将来的に民法・民事訴訟法の普及を担う各機関の中核人材10名〜20名程度で構成。)
活動2:事前に設定したテーマに基づき、ジョイントワーキンググループを3か月に1回程度の頻度で開催し、各ワーキンググループからの担当者が発表した内容に基づき、質疑応答・議論を行う。ジョイントワーキンググループでの議論は議事録に取りまとめるとともに、発表資料と合わせて、定期出版物の形に整理して発行し広く共有する。
活動3:司法省が内部・外部からの照会や質問及び、民事関連法令の起草・改正に対し、民法・民事訴訟法の適切な運用に必要な範囲で、回答・対応する体制及び能力が整備、育成される。
活動4:司法省・国土省共同コミッティにて民法関連不動産登記省令を起草するとともに、必要に応じ、その運用に必要なマニュアルや様式を作成する。また、地方登記官に対する普及セミナーを実施する。

投入

日本側投入

  • 長期専門家派遣【264M/M】(12M/M×4名×5年+12M/M×1名×2年)
    1)チーフアドバイザー/人材養成(民事法)
    2)人材養成(民事法理論)
    3)人材養成(民事法実務)、
    4)不動産登記共同省令起草支援(最初の2年のみ)
    5)業務調整
  • 短期専門家派遣
  • 研修員受け入れ

相手国側投入

  • 施設提供(プロジェクトオフィス、ワーキンググループ会場等)
  • カウンターパート配置(4機関各10〜20名、計約50名)