三菱電機・セツヨーアステックからの訓練機材の寄贈式と技術研修を開催

2019年6月13日

2019年6月12日、13日

三菱電機(株)及び(株)セツヨーアステックから、実習訓練用機材の無償供与を受け、当プロジェクトのパイロット校でもあるNTTI(National Technical Training Institute)において、寄贈式及び技術研修がおこなわれました。

これは、両社がCSR(企業の社会的責任)活動として行っている、これまでのカンボジアを含む近隣国の大学や職業訓練校への機材供与の実績を踏まえ、今回の供与についてプロジェクトにご提案いただき、三菱電機製PLC(プログラマブル・ロジック・コントローラー)99セット及びソフトウェアが訓練校6校に寄贈される運びとなったものです。

このPLCとは工場の製造ラインの様々な装置をコントロール制御するためのもので、パソコンにインストールされた独自のソフトウェア上で制御プログラムを作成し、そのプログラムでPLC本体が搭載されている装置に対して制御実行するために使われます。訓練校では当プロジェクトで共同開発製作した訓練機材と一緒に活用することで、より実際の現場に近い形での訓練が可能となります。

今回、当プロジェクトのパイロット校であるNPIC(National Polytechnic Institute of Cambodia)、NTTI及びPPI(Preah Kossomak Polytechnic Institute)の3校に、地方訓練校の重点対象であるバッタンバンの州リージョナル職業訓練校(RPITSB)、さらにプノンペンのITI(Industrial Technical Institute)及び毎回National Skill Competitionの電気・オートメーション部門で上位入賞を果たしている私立のCKN(Center Kram Ngoy)を加えた計6校に対して、機材供与ならびに1日半のPLC技術講習会を行っていただきました。

6月12日午前の寄贈式では、まず、両社から会社の紹介とともに、FA(ファクトリー・オートメーション)の分野でも継続的な改善が重要であること、学生の技術習得を通じて産業分野の改善につなげ、カンボジアの成長を支援していきたいとのお話をいただきました。労働職業訓練省からは、供与にかかるプロジェクトの橋渡しへの感謝とともに、汎用性の高い機材供与はありがたく、最大限の活用をしていきたいとのコメントをいただきました。また、ご列席の在カンボジア日本国大使館書記官からも、人材は国の基礎であり、カンボジアが次の経済発展のレベルへ進んでいくうえで、高品質の日本製品と電気分野にフォーカスした当プロジェクトのコラボレーションを期待するとのお話をいただきました。

その後、12日午後から13日にかけて、(株)セツヨーアステックの技術者が講師となり、6校の指導員等16名を対象として、供与されたPLCの操作を中心とした技術研修をおこなっていただきました。講義は英語でおこなわれ、アシスタント役のパイロット訓練校の指導員が適宜クメール語での補足説明をおこなうことで、技術の確実な定着とともに、カウンターパートの能力強化を図りました。研修の最後には、受講生全員が同社から修了証を付与されました。

訓練校指導員が実践的な研修により機材の理解を深め、日々の訓練指導を行うことで、学生が習得した技術を生かし、カンボジアの社会に貢献する、という一連のきめ細やかな協力は、現場に密着した日本の協力の特色であり、強みと言えます。

このような貴重な貢献をしていただいた三菱電機(株)及び(株)セツヨーアステックに感謝いたします。今後は、プロジェクト終了を見据えながら、カンボジアでのPPP(官民連携)の好事例を作り、訓練校が主体的に指導員や学生の能力向上を続けていくために、限られた資源をうまく活用し、産業界との連携を積極的に行っていくことを促していきたいと思います。

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供与式の様子

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三菱電機(株)様より訓練校へ機材供与

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労働職業訓練省Sambath部長より(株)セツヨーアステック様へ感謝状の贈呈

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訓練校6校の代表と関係者

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(株)セツヨーアステック様より技術セミナー前の打ち合わせ

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技術セミナーの様子