日本の税務行政及びならびに租税教育・広報事務に関する3日間集中強化セミナーの実施

2017年2月23日

2017年2月21〜23日の3日間の日程で、武藤チーフアドバイザーによる「日本の税務行政及び租税教育・広報」に関する3日間集中セミナーを実施しました。冒頭、武藤チーフアドバイザーより本日のセミナー内容を受け身で聞くのではなく、「比較」をキーワードにセミナーを受講し、日本とカンボジアはどう違い、どうずればカンボジアの税務行政改善に役立つのかを考えて欲しい旨の発言がありました。さらに、今回の研修生は大学教授・研究者を養成するものではなく、カンボジアの税務行政の最前線で働く職員を対象にするものであり、”One Man’s Meat is Another Man’s Poison”という諺の意味を考えつつ、研修を受けるよう指示がありました。
1日目のセミナーは日本の税務行政について説明があり、国税庁の使命、日本の申告納税制度、財務省、国税庁・国税局・税務署の組織体制、日本の税務行政の特長について講義がありました。質疑応答の時間を十分とったものの、研修生からは多くの質問がなされ、さらには今回の税務行政とは直接関係のない日本の財政制度・金融制度についての質問もなされ、ひとつひつ丁寧に武藤チーフアドバイザーが回答をすることで、研修生は、日本に対する興味を一層増したようでした。講義終了時には択一式の試験(10点満点)を行いましたが、満点は1人、零点1人、平均6.8点でした。
2日目、3日目は日本の租税教育・広報に関して、小学校での租税教育や租税教育教材、タックススペースUENO、東京国税局税務相談室(上野コールセンター)等について紹介され、国税庁がどのように租税教育・広報を実施しているかの説明がされました。またセミナーの中では、日本の国税庁作成のDVD「マリンとヤマト不思議な日曜日」を上映し、この世から税金がなくなったらどういう世界が訪れるかにつき、子供にでも親しみやすいアニメを使って理解してもらいました。
なお1日目、3日目には、日本の税務行政や租税教育・広報について、与えれたテーマに基づき、ゼミ形式で発表を行うワークショップを実施しました。全体を解答班と質問班に5グループずつに分け、解答班はグループで話し合った解答を大きな模造紙に書き、全員に対してプレゼンを行いました。質問班は解答班が発表した内容に質問やコメントを投げました。そうすることにより参加者一人一人にセミナーで何を学び、カンボジアの税務行政で何をどう活かしたいのか、より深く学んでもらいました。
研修最終日には、最後の難関である記述式試験も課しましたが、晴れて全員に修了証を手交することができました。今回の参加者がそれぞれの税務の現場で、日本の税務行政の良い部分をカンボジアの税務行政に活かす伝道師になってもらいところです。
また、セミナー後に実施した参加者からのアンケートでは、セミナーの内容はもとより、ワークショップで議論を深められたのが非常によかったと声が多くありました。他の税務職員を対象に同様の集中セミナーを今後も実施する予定です。

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集中セミナーに参加した職員

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日本の租税教育について説明をする武藤チーフアドバイザー

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ゼミにおいて武藤チーフアドバイザー(写真右)と議論するGDT研修生

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集中セミナー内での解答班によるゼミ発表の様子

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3日間の集中セミナーを修了した職員に対し、修了証が一人一人交付された修了式の様子

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集中セミナー修了後の記念撮影

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3日間の集中セミナーで使用したオリジナルテキスト

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集中セミナー修了証