申告書管理事務運営改善に向けた国税庁調査団がMeanchey税務署を訪問

2017年9月28日

2017年9月28日、国税庁から申告書管理事務運営セミナー実施のためカンボジアを来訪している税務大学校井上俊教授、岩崎教育官が小規模納税者の記帳制度の進捗確認のため、プノンペン市内のMeanchey税務署を4月に次いで視察・聞き取り調査を行いました。

Meanchey税務署の小規模納税者の担当署員6名と月次・年次申告書の提出に係る現況と納税者/税務署員の課題を議論しました。議論は長時間に渡りましたが、多くの情報とともにMeanchey税務署員の苦労や努力・工夫がよく現われ、実りある議論となりました。

小規模納税者の月次申告書提出状況に関しては、前回4月の調査時点より税務署員の工夫によって大幅に改善し、80%以上の納税者が申告書を提出していることが判明しました。提出が滞っている納税者に対しては、手紙や電話で催促をし、月次申告書の提出なしでは年次申告書を不受理とすること、また事業者にとって重要なパテントの申請も翌年度は申請を不受理とすることを丁寧に説明し、申告書提出を促しているという施策がとられてきたようです。また、2016年には月次申告書に求められている3つの簡易帳簿を添付する納税者は約半数に留まりましたが、セミナーの実施や直接指導によって、現在は約90%の納税者が簡易帳簿を提出しているという、非常に明るい数値も見えました。しかしながら、依然として課題はあり、帳簿は提出しても、その証拠であるインボイスは提出していないなど問題はまだあるようですが、改善が着実に見られました。2016年の年次申告書提出についても約80%が提出し、制度移行後の1年目としては良い結果が得られたとのことでしたが、残りの20%の納税者に向けた理解促進のセミナー等を企画したいということでした。

Meanchey税務署の報告に一定の評価を示した調査団ですが、井上教授からは納税者登録の戦略的な道筋をもっと立て、税収のロスをできるだけ少なくすることが重要なため、引き続き努力してほしいと税務署員にアドバイスを行いました。

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税務署からの現況報告を聞く調査団メンバー

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税務署員に申告事務の現況について聞き取り調査をする調査団メンバー

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調査団に説明をする税務署員

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調査団の意見に熱心に耳を傾ける税務署員