“Tax Day”開催

2019年3月17日

2019年3月17日は、経済財政省租税総局(GDT)にとって歴史的な日となりました。即ち、カンボジアの税務歴史上初となるPR活動である”Tax Day”を開催したのです。しかも、場所は、今カンボジアで最も集客力のある商業施設、AEON Sen Sok Cityで開催しました。そうあの日本資本のイオンです。

GDTは、PR活動として納税者向けセミナーやテレビ番組内で税制を説明する活動はしてきましたが、一般国民向けイベントのPR活動は過去に実施経験がありませんでした。しかし、本プロジェクトが主導して、なんとか開催までこぎつけ、この日が初の一般国民向けのイベントを実施した歴史的な日となったわけです。当日はテレビ局や新聞社も駆けつけてくれ、夕方のニュースで放映されるなど、非常に盛況なものとなりました。

本“Tax Day”は、日本の「税を考える週間」を参考に企画したものです。過去に訪日研修で広報広聴活動を学んだGDT職員が、カンボジアでも積極的な広報活動を実施したい、日本のように一週間全国的にイベントを行うのは不可能だが、Tax Dayという形でプノンペンで1日限りでも国民向けの広報イベントを実施したいという要望があったことから、少しずつ構想を練ってきました。

本“Tax Day”では2つの活動を行いました。一つはスローガンコンテストの表彰式をはじめとしたメインプログラムです。このプログラムでは表彰式だけでなく、租税教育ビデオ”Tax Rangers”の上映会、武藤チーフアドバイザーの税の恩恵と重要性に関するセミナー、GDT職員によるカンボジアの税制についてのセミナー、税に関するクイズコーナーを行い、プログラムに参加した来場者が税について学べる機会を提供しました。

もう一つはAEON来場者に対して、税制に関するリーフレットやテキストを配布し、税について説明する地道なPR活動です。同時にアンケート記入もお願いし、記入した方にはPRグッズを一つプレゼントしました。PRグッズは大変好評で多くの来場者がアンケートに記入しました。

カンボジアは小中学校での租税教育が実施されておらず、税の恩恵や重要性を理解していない国民が大半です。そうした状況下でのPR活動は大変困難であり、イベント当日もGDT職員にクレームをつけてきた来場者がいたのも事実です。

ここでエピソードを紹介します。全体のマネジメントを行っていた武藤チーフアドバイザーが、ある一つのブースで人の流れが止まっているのを発見し、近づいたところ、納税者がカンボジアの自動車税につきクレームをGDT職員にぶつけ、それに物怖じした職員が言葉に詰まっているとさらに言葉を重ねてくる状況でした。このため武藤チーフアドバイザーが間に入り、カンボジアの税制について説明するともに、最後は「納税者のこうしたご抗議は、将来のカンボジアにとって非常に有益なものです。ありがとうございます。」と言って握手を求めたところ、納税者も快く握手に応じ、ニコニコ顔で帰って下ったのは、カンボジアの現状を垣間見ると共に、非常に印象的な出来事でした。

なお、7%台のGDP成長率の経済成長が続き、自らの税収によって自立していかなければいけないカンボジアにとって、まさに今、税に関するPR活動を始めていくのは非常に意義のあることであり、今が逃してはならないそのタイミングです。困難さはあるものの、GDT職員も今回のイベントにはその意義、重要性、そしてやりがいを感じ、本プロジェクトが終了した後も、GDTで可能な限り継続していきたい、そしてそのためにも今回のノウハウをもっと教えてほしいとの要望が本プロジェクトにも寄せられました。

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イベント準備の様子。レイアウトの指示を出す武藤チーフアドバイザー

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内合わせの様子

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来場者に税制について説明するGDT職員1

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来場者に税制について説明するGDT職員2

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アンケートに記入する来場者

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打合せ中の武藤チーフアドバイザーと坂本業務調整員

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メインプログラムで開会の辞を述べる武藤チーフアドバイザー

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税の恩恵と重要性につきプレゼンする武藤チーフアドバイザー

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カンボジアの税制について説明するGDT職員

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メインプログラム時の様子

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コンテスト受賞に際し、今後の税との付き合いについて抱負を述べる受賞者

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見事1位を獲得したHuom Saroathさん

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1,2,3位の受賞者との記念撮影

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受賞者に贈呈された表彰状

【画像】スローガンコンテスト受賞者とスタッフ