パイロット税務署での聞き取り調査

2019年3月19日

2019年3月19日、カンボジアでの税務行政の問題点を把握すべく指定したパイロット税務署であるChamkarmorn税務署での聞き取り調査を実施しました。

当プロジェクトでは、2016年に導入された小規模納税者向けの税制(いわゆるSAF(Simplified Accounting Format))の定着を支援しています。その定着化のための活動として具体的な対応や課題を把握するため、Chamkarmorn税務署をパイロット税務署として設定し、綿密な聞き取り調査・コンサルテーションを実施中です。

今回またChamkarmorn税務署を訪問し、Chamkarmorn税務署長と現状の報告と課題について議論をしました。税務登録者数、月次申告提出者数、年次申告提出者数の3点をポイントとして論点を絞り、議論したものの、大きな問題点も数多く見つかりました。

武藤チーフアドバイザーからは、「自主申告制度を支える最後の砦は税務調査であり、そして滞納処分である。税務の分野では、納税者を『公平に』扱うことが不可欠であり、税務登録をしない、申告もしない者と、ちゃんとしている者とを公平に扱うには、前者に対し税務調査で強制的に課税することが重要である」との説明をしたところ、税務署の全員が大きく頷いていました。

なお把握した問題点については、本紙面上では、問題のセンシティブな性質上コメントは差し控えますが、将来の改善事項として、本プロジェクト終了時、カンボジア政府に対し、現状と課題に向けた改善策の提案を行う予定です。もっとも、本プロジェクト期間中の残り3ヶ月で現状の情勢はすぐに変更されるものではないため、現実的に今後につながる施策は何かを考え、セカンドベストを目指し、実際の行動・提案に移していく予定です。

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パイロット税務署の聞き取り調査を主導する武藤チーフアドバイザー

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聞き取り調査の様子