カンボジアでは、死因の多くが感染症によるものであり、そのうち結核感染が上位を占めている。結核患者数は年間5%程度増加しており、全国的に結核感染が蔓延している状況であった。 WHOの協力の下、1994年から大幅に改革された国家結核対策計画の実施により、治癒率が大幅に改善されたものの、その展開のあまりの急速さおよび人材の不足等により、保健施設の巡回指導や結核対策に従事する職員の教育・訓練の実施などに行き詰まりが生じるとともに、HIV感染の蔓延に伴う結核患者の増加に対応することへの不安も生じてきている。また、患者層の多くが20歳代から50歳代の生産年齢の中核を占める層に広く分布しており、結核感染の拡…