プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)結核対策プロジェクト フェーズ2
(英)National Tuberculosis Control Project Phese2 in the kingdom cambodia

対象国名

カンボジア

署名日(実施合意)

2004年7月6日

プロジェクトサイト

首都:プノンペン及び全国が対象

実施期間

2004年8月1日から2009年7月31日

相手国機関名

(和)保健省(MoH)、CENAT(国立結核センター)
(英)Ministry of Health, CENAT

日本側協力機関名

財団法人結核予防会結核研究所

背景

カンボジアでは、死因の多くが感染症によるものであり、そのうち結核感染が上位を占めている。結核患者数は年間5%程度増加しており、全国的に結核感染が蔓延している状況であった。 WHOの協力の下、1994年から大幅に改革された国家結核対策計画の実施により、治癒率が大幅に改善されたものの、その展開のあまりの急速さおよび人材の不足等により、保健施設の巡回指導や結核対策に従事する職員の教育・訓練の実施などに行き詰まりが生じるとともに、HIV感染の蔓延に伴う結核患者の増加に対応することへの不安も生じてきている。また、患者層の多くが20歳代から50歳代の生産年齢の中核を占める層に広く分布しており、結核感染の拡大は経済的問題にも直結している。現在までサーベイランス体制の構築や調査が困難であったため、国全体の結核流行の状況が正確には把握できておらず、長期的な展望を立て難いことも大きな問題となっている。

かかる状況を背景として、2000年〜2004年7月まで結核プロジェクト(フェーズ1)を通じて主にDOTS(直接監視下における短期化学療法)の拡大及びヘルスセンターでDOTSサービスが提供できるようになることを目指して協力を行ってきた。当該プロジェクト(フェーズ1)では、全国で約750のヘルスセンターでDOTSを提供できるようになり、カンボジア国民の結核サービスへのアクセス改善を行い、現在24000人程度の患者がDOTSサービスを提供できるようになった。(プロジェクト前は、15,000人)

その後、首都プノンペンの結核患者の30%がHIVに感染している等新たな課題が生じたことを受け、カンボジア政府より、結核/エイズ重複感染等の課題への対応、急速に拡大したDOTSサービスの質的向上等を目的としてプロジェクト(フェーズ2)実施を要請された。

目標

上位目標:

結核の死亡数・罹患数が減少する。

プロジェクト目標:

質が高くかつ維持可能な結核プログラムが全国で実施される。

指標:

  1. 85%の治癒率維持
  2. 75%の塗沫陽性率達成(=喀痰検査の精度を上げて感染者の発見率を高める)
  3. 塗沫陰性患者の発見数の向上(喀痰検査以外のX線検査等による結核患者の発見を増やす
  4. 小児結核患者登録数の2003年水準からの倍増

成果

  1. 国家結核対策プログラム(NTP)スタッフ(CENAT及び地方NTPスタッフ)の運営管理能力が改善される。
  2. 維持可能で質の高いDOTSサービスが全国に広がる。
  3. 既存のDOTSを超えた適切な結核サービスとそのガイドラインが開発される。
  4. DOTS、TB/HIV対策、調査活動に必要な検査の質が改善される。
  5. 国家結核対策計画を支えるための効果的なIEC/Advocacy活動が実施される。

活動

1.
プログラム管理、情報管理、薬剤管理、調査研究、(関係機関との)プログラム調整の5分野での専門家派遣と組み合わせたNTPスタッフの能力強化のための研修を実施
2.
(1)巡回指導によるDOTSの質改善、(2)6ヶ月療法の導入、(3)コミュニティDOTSのモデル化、(4)官民連携によるDOTSの導入
3.
TB/HIV、小児結核、薬剤耐性結核を対象に、ガイドラインの作成や州都リファラル病院でのサービス導入
4.
州レベルでの巡回指導・QCサークル活動の強化、包括的精度管理(外部精度アセスメントシステムを含む)の導入とそのガイドラインの作成、さらに4つの精度管理センターの確立
5.
効果的 IEC/Advocacyの研修モジュール作成、ヘルスセンター職員及びヘルスセンターサポーティンググループへの研修実施、幅広い関係者と連携したIEC/Advocacy活動、戦略計画策定会議など

投入

日本側投入:

  • 専門家派遣:チーフアドバイザー、結核対策、小児結核、X線診断、結核ラボ管理、薬剤管理、OR/疫学、
    TB/HIV 、IEC/Advocacy/業務調整 他
  • 機材供与:顕微鏡、モーターバイク、X線関連機材、OA機器、塗沫検査キット他
  • 研修:結核対策・検査技術に関する日本国内及び第三国での研修

相手国側投入:

  • カウンターパートの配置
  • 合同調整員会(JCC)の設置:CENAT所長(プロジェクトディレクター)、CENATのスタッフ、州・医療圏郡(OD)の結核担当官
  • 施設・土地手配:プロジェクト専門家執務室、研修施設 他
  • ローカルコスト負担:CENATスタッフ、地方NTPスタッフの活動費、管理運営費 他