プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)教員養成大学設立のための基盤構築プロジェクト
(英)The Project for Establishing Foundation for Teacher Education College(E-TEC)

対象国名

カンボジア

署名日(実施合意)

2016年10月13日

プロジェクトサイト

プノンペン、バッタンバン

協力期間

2017年1月1日から2022年12月31日

相手国機関名

(和)カンボジア教育・青年・スポーツ省
(英)Ministry of Education, Youth and Sport (MoEYS)

背景

カンボジアにおける近代教員養成制度は、1980年代以降の紛争復興期における圧倒的な教員不足に対応するため、変則的な短期講習の形で開始され、現在は正規の教員養成機関として、二年制の小学校教員養成校(Provincial Teacher Training Center:PTTC)及び中学校教員養成校(Regional Teacher Training Center:RTTC)が全国各地に設置されています。これら教員養成校入学資格は、国家試験である中等教育(12年生)修了資格とされているものの、世銀の報告書「Educating the next generation」によれば、PTTCの80%、RTTCの約70%以上が上記試験でDまたはEの成績で合格した「成績下位グループ」であることが指摘されており、カンボジアでは教員の質の確保に大きな課題を抱えています。

このような中、カンボジアでは、2015年8月に産業開発政策(Industrial Development Policy 2015-2025:IDP)が発表され、今後も経済成長を維持していくためには、産業の多様化、国際競争力のある高付加価値産業の創出・育成が重要であるとされ、そのための産業人材育成の必要性が指摘されています。そして、カンボジア教育・青年・スポーツ省(Ministry of Education Youth and Sport:MoEYS)は、産業人材育成を主な目的とした教育改革を推し進めており、基礎・中等教育、高等教育、技術教育の各サブセクターにおいて大規模な改革を実施しています。

基礎・中等教育における具体的な教育改革としては、全小・中学校教員の学士化を主要な政策と位置付け、そのために教員養成課程を2020年までに大学化(Teacher Education College:TEC)することを目標として掲げ、現行の「12+2制」から「12+4制」とすることで、全ての教員の資格を学士号以上に移行することを喫緊の課題としています。

以上のような背景から、MoEYSは日本政府に対し、現行の2年制教員養成課程を4年制教員養成課程とするために必要な制度運営に係るソフト面について技術協力を要請し、併せて学生数増加に対応するために必要な施設建設に係る無償資金協力を要請しました。これら要請を受け、本技術協力プロジェクトでは、教員養成校の大学化に向けた戦略を策定し、4年制カリキュラムの開発及びその運用を支援しつつ、高等教育機関としての大学運営を支援することで、TECの設立を支援しています。

目標

上位目標

TEC卒業教員が教える生徒の学習成果の向上に寄与する。

プロジェクト目標

質の高い小中学校教員がTECから輩出される。

期待される成果

1)TECの中長期戦略計画が制定される。
2)TECの運営体制が整う。
3)小中学校教員養成課程シラバス及び教材が作成される。
4)小学校新規教員養成課程、中学校現職教員学士化課程の授業が実施される。
5)実践的教員養成課程が強化される。

活動の概要

成果1)TECの中長期戦略計画が制定される。

(1-1)カンボジアにおける私立校を含む教員の需要供給を分析する。
(1-2)中長期的な教員需要予測を行う。
(1-3)TEC中長期戦略を策定する。
(1-4)定期的に戦略の見直しを行う。
(1-5)必要に応じて戦略の改訂を行う。
(1-6)TECのインパクトを測定するための評価デザインを行う。

成果2)TECの運営体制が整う。

(2-1)TEC管理職に対する研修計画を策定する。
(2-2)TEC管理職に対する研修を実施する。
(2-3)TEC運営計画を策定する。
(2-4)教官評価計画を策定する。
(2-5)内部品質保障ガイドラインを策定する。
(2-6)TEC年次評価を実施する。
(2-7)TEC教官評価を実施する。
(2-8)TEC教官配置を見直す。
(2-9)年次評価の結果をTEC運営計画に反映させる。

成果3)小中学校教員養成課程カリキュラム、シラバス及び教材が作成される。

(3-1)改訂されたTeacher Competency Standard及びカリキュラムフレームワークを分析する。
(3-2)既存のカリキュラム及びモデルカリキュラムを分析する。
(3-3)シラバス及び教材のドラフトを作成する。
(3-4)カリキュラム、シラバス及び教材を試験的に実施する。
(3-5)カリキュラム、シラバス及び教材を最終化する。
(3-6)カリキュラム、シラバス及び教材の使用を通して見直しを行う。

成果4)小学校新規教員養成課程、中学校現職教員学士化課程の授業が実施される。

(4-1)TEC教官に対する導入研修を計画する。
(4-2)教官に対する導入研修を実施する。
(4-3)小学校新規教員養成課程、及び、中学校現職教員学士化課程の授業を実施する。
(4-4)TEC教官に助言する。
(4-5)授業評価を実施する。
(4-6)TEC教官に対する短期研修を実施する。

成果5)実践的教員養成課程が強化される。

(5-1)教育実習協力校(小学校)を指定する。
(5-2)教育実習計画を策定する。
(5-3)教育実習の手引きを作成する。
(5-4)TEC教官及び協力指定校教員に対し研修を実施する。
(5-5)教育実習を実施し、モニターする。
(5-6)TEC教官によるアクションリサーチを実施する。
(5-7)アクションリサーチの結果をTECカリキュラム及び教材に反映させる。