プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)理科教育改善計画プロジェクト

対象国名

カンボジア

署名日(実施合意)

2008年4月11日

協力期間

2008年9月1日から2012年8月31日

相手国機関名

(和)教育青年スポーツ省

背景

カンボジアでは1975〜79年のポルポト政権による大量虐殺によって教師や知識人らの有能な人材はことごとく失われ、人材育成のシステムそのものが崩壊した。その後の政権によってある程度の再興は達成されたが、量的な拡大に重点を置いたために、退学率の高さ、能力のある教師の不足等の質的な問題を抱え込んだままである。中でも理数科分野の人材育成については、将来的な産業の高度化において極めて重要であるにもかかわらず、過去に支援の対象とされてこなかったこともあり、早急な質的改善が望まれている。

JICAは、2000年8月から2005年3月までの4年8ヶ月間、高校の教員養成校である国立教育研究所(NIE)の理数科教育に係る機能・能力の向上を目標としたカンボジア理数科教育改善計画プロジェクト(STEPSAM)を実施した。その中で、国立教育研究所(NIE)の理数科分野の教員に対する研修を行い、その教員が講師となり、現職教員を対象とする全国ワークショップを企画・実施し、実験解説書を作成した。

その結果、NIEの理数科分野における機能や能力の向上というプロジェクト目標を達成することができた。一方、STEPSAMを通じて、高校理数科のカリキュラムや教科書・教員指導書は、(1)各学年段階にふさわしくない難解な内容が含まれている、(2)各単元間のつながりがない、(3)重要な概念の欠落、(4)用語や記号が学年間で統一されていない、(2)記述が抽象的で、具体的な説明・図式などが欠落している等の事項が認識されるようになった。これらを改善すべく高校理数科教科書策定プロジェクト(ISMEC)を2005年から08年3月まで実施した。

2007年7月から8月にはカンボジア教育セクターにおけるJICAの協力戦略を策定する目的で教育プログラム策定調査を実施したが、その中で初等教育から前期中等教育にかけて理数科教育の質の向上を図る事が、カンボジアの今後の発展のためにも必要である中心課題として捉えられた。また、カンボジア教育省からは、2007年12月に初等教育から前期中等教育にかけて理数科教員の質の向上を図るため、「理数科教育改善計画調査(フェーズ2)」に対する要請が再度提出された。2007年12月および2008年に事前評価調査を実施・R/D等の書名交換を行い、今回本プロジェクトを実施する運びとなった。

目標

上位目標:

カンボジア基礎教育(初等教育及び前期中等教育)における理科授業の質が向上する。

プロジェクト目標:

  1. 理科の教員養成の質が向上する。
  2. 前期中等教育における理科の現職教員研修のベストプラクティスモデルが提示される。

成果

  1. 教育省の教員研修を運営する能力が向上する。
  2. 教員養成校における理科教員の質が向上する。
  3. 教員養成校において持続可能で質の高い教員養成が行われる組織的環境が整備される。
  4. 教員養成校の協力のもとで、教育省(TTD)によりPDCAサイクルに基づく現職教員研修の実施方法及び内容が試行される。

活動

1-1
サブテクニカルワーキングループ(Sub-TWG)とワーキンググループ(WG)を結成する。
1-2
PRESET、TTCの教官研修および初等教育学校・中等教育学校の理科授業の現状、課題、ニーズを分析するためのベースライン調査を実施する。
1-3
TTC教官用の研修計画(内容、日程)を策定する。
1-4
ベースライン調査の結果をもとにTTC教官用研修教材が開発される。
1-5
TTC教官研修及び中等教育学校の研修のトレーナーとなる教科主任を含むナショナルトレーナー(NTs)が教育省の関連部局・組織、NIE、RUPP,TTC及び学校から選考される。
1-6
NTs用研修がJICA専門家および教科主任により実施される。
1-7
ベースライン調査の結果に基づき、中等教育学校向けのINSETの内容、日程等研修計画が計画される。
1-8
TTC教官研修ついてフィードバックがなされ、中等教育学校でのINSETのベストプラクティス及びその実施可能性が、Sub-TWG及びWGに報告されるとともに、それらの情報・経験・ノウハウがSub-TWG、WGに蓄積される。
1-9
Sub-TWG及びWGは研修の質及び効率の改善に向けて、フィードバックされた内容を次の研修計画に反映する。
2-1
NTsが1-3で作成された研修計画をもとに全てのTTCで教官向け研修を実施する。
2-2
理科担当のTTC教官がNTs及びJICA専門家の支援のもと、授業研究・実験を実施する。
2-3
研修を受けたTTC教官による授業がモニタリング・評価される。
2-4
TTCの生徒による授業がモニタリング・評価される。
2-5
モニタリング・評価された結果をもとに、TTD及びNTsがフォローアップ研修を実施する。
3-1
基礎教育の新カリキュラムとRTTCのカリキュラムのギャップを確認するため、理科のカリキュラム、教材、シラバスに関する調査を実施する。
3-2
上記で確認されたギャップにつき、教材及びシラバスがTTD並びにJICA専門家によって作成される。
3-3
教材及びシラバスがTTC教官の理解度に基づき、アップデートされる。
4-1
MoEYS及び他の開発パートナーにより実施中のINSETを調査する。
4-2
パイロット州及びパイロット校を選考する。
4-3
ベースライン調査の結果に基づき、中等教育学校向けのINSETの内容、日程等研修計画が計画される。(1-7と同様)
4-4
RTTCトレーナー、NTs、POEが中心となり、中等教育学校教員向けの研修(INSET)を実施する。
4-5
TTCトレーナーにより実施されたINSETがモニタリング・評価される。
4-6
NTs及びTTDがフォローアップトレーニングを実施する。
4-7
パイロット州で実施された研修及び他の開発パートナーにより実施されたINSETの結果を反映し、理科のINSETのレポートが作成される。

投入

日本側投入:

  • 長期専門家
    • 理科教育/援助調整
  • 短期専門家
    • 総括/教員養成制度構築
    • 副総括/研修計画策定
    • 生物教育
    • 化学教育
    • 物理教育
    • 研修モニタリング/業務調整
  • 在外事業強化費
    • セミナー開催費用等

相手国側投入:

  • カウンターパート
    • プロジェクト責任者:長官, MoEYS
    • プロジェクト・マネージャー:次官, MoEYS
    • ワーキング・グループ構成員:TTD,NIE,PED,GSED,教育視察局、RUPP,PRD、TTC等
    • ナショナルトレーナーグル
    • TTCの理科教官グループ
  • 施設・機材
    • MoEYS内の長期専門家用オフィス
    • 研修/セミナー/WS開催のための教室・会議室
    • その他関連施設・機材
  • ローカルコスト
    • カウンターパート職員の給与
    • 供与機材に関する税関手続き費用、国内移動費、保管費用、設置費用

プロジェクト概要の詳細は、「プロジェクト活動」に掲載されています。