プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)バッタンバン農村地域振興開発計画
(英)Battambang Rural Area Nurture and Development (BRAND) Project

対象国名

カンボジア

署名日(実施合意)

2006年11月30日

プロジェクトサイト

バッタンバン州バッタンバン郡、サンカエ郡、エクプノム郡、トモコール郡のプロジェクト対象4コミューン

協力期間

2006年11月30日から2010年3月31日

相手国機関名

カンボジア国農林水産省農業農地改良局、同農業普及局、バッタンバン州農業局

背景

カンボジアにおいてコメは最重要農産物であり、農産物の付加価値の43%を占めている。1995年よりコメの自給を達成したものの、全国平均の単収は2トン前後となっており、生産性は低く、またその品質は一部を除いて低位で、国際競争力は低く、国内経済への貢献度は低い。このため、カ国政府は高品質米の生産量増加を目指して、優良水稲種子の利用拡大を意図した標準化、検定制度化、流通使用規制等を含む「種子法」の草案を策定した。また、農林水産省は優良水稲種子を増産し、コメの生産技術向上を図ろうとしているが、優良水稲種子の利用は未だ広くは普及していない。他方、農家の生計向上のためには、農業生産の多様化を図り、農家が安定した収入を確保できるようにすることが求められている。このため、農林水産省は、一部の地域で、農業ポテンシャルを分析し、地域に適した農業技術を普及する取り組みを進めている。

しかしながら、全国で農業普及サービスを受けている農家の数は、全体の1%にすぎない。農家に対する普及を担うべき州農業局では、1)農家のニーズ・ポテンシャルを十分把握できていない、2)ニーズ・ポテンシャルを反映した試験・技術開発が進んでいない、3)普及員の育成が遅れている、4)試験部門、普及部門、郡事務所の役割分担が不明確であり、指揮命令系統が混乱している、5)車両燃料費以外の事業予算がほとんどないことなどから、農家に十分な農業普及サービスを提供することができていないとの問題を有している。

こうした中、2003年から2006年まで、「バッタンバン農業生産性強化計画(BAPEP)」が実施され、優良種子生産を核とした稲作営農体系の確立、農民組織強化などカウンターパートとして育成した州農業局の職員とともに主に技術面からプロジェクト活動を進め、プロジェクト対象であるバッタンバン州コンピンプイ地区における農業生産性向上に大きく貢献した。本案件は、BAPEPの成果を踏まえ、バッタンバン州全域13郡のうち、特に稲作を核とした営農体系が中心である地域への普及・拡大を目指し、同州の4郡(1コミューンずつ)を対象に、バッタンバン州農業局及び郡事務所普及職員による普及システムの機能強化とコミューンの自立促進を図りつつ農家への農業普及サービスの充実を図るものである。

目標

上位目標:

バッタンバン州のプロジェクト対象郡で、農家の営農体系が改善される。

プロジェクト目標:

プロジェクト対象コミューンで、農家に対する農業普及サービスが充実する。

成果

  1. 対象コミューンの農業ポテンシャルと農家の普及ニーズに合致した普及計画が策定される。
  2. 農家のニーズに合致した、普及に適当な改善された農業技術・手法が開発される。
  3. 対象コミューンで、農家のニーズに合致した、農業普及活動が実施される。
  4. 農業生産・流通・政策に関係している組織の間の連携が強化される。

活動

1-1.
AEA報告書の詳細分析を行い、農業普及計画立案に不足している情報を特定する。
1-2.
各対象コミューンについて、農業ポテンシャルと農家のニーズを明らかにするための追加調査を行う。
1-3.
農産物や農業資材の市場・流通調査を対象地域とその周辺で行う。
1-4.
各対象コミューンについて、コミューンカウンシルや村長らと協議しながら、最貧層のニーズもふまえて、農業普及計画を策定する。
1-5.
必要に応じて、農業普及計画を見直す。
2-1.
各対象コミューンの農業普及計画をふまえ、試験計画を策定する。
2-2.
稲に関する試験・展示栽培を行う。
2-3.
稲以外の作物に関する試験・展示栽培を行う。
2-4.
稲に関する栽培ガイドライン・普及教材を改善する。
2-5.
稲以外の作物に関する栽培ガイドライン・普及教材を改善する。
2-6.
稲作をベースとした、畜産や養殖などの経営多角化オプションを含む、営農体系ガイドラインを改善する。
3-1.
州農業局機関と所属職員の役割を明確にし、能力向上が必要な分野を調べる。
3-2.
職員研修計画を策定し、必要な研修を実施する。
3-3.
農家を対象に、経営多角化を含む、農業経営に関する研修を行う。
3-4.
農産物や農業資材の市場・流通に関する情報を提供する。
3-5.
農家を対象に、優良種子を利用した稲作に関する研修・指導を行う。
3-6.
農家に対して、優良種子の利用と供給を促進する。
3-7.
農家を対象に、稲以外の作物の栽培に関する研修・指導を行う。
3-8.
必要に応じて、農家を対象に、家畜飼育や水産養殖に関する研修・指導を行う。
3-9.
農業生産活動ごとに農家グループの形成を促進し、農家同士の情報交換を活発化させる。
3-10.
農協(や水利組合)の組織強化を行う。共同出荷や共同購入などの組織活動を活発化させる。
3-11.
農家の研修後の実践状況をモニタリングし、実施した普及活動に関するフィードバックを得る。提起された課題について、研究開発に反映するために、州農業局の関係機関に報告する。
4-1.
コミューン投資計画と農業普及計画が合致するようコミューンカウンシルを支援する。
4-2.
農家の市場アクセスを改善するために、精米業者や農産物流通業者などの市場関係者との連携を深める。
4-3.
BAPEPで育成したバッタンバン州農業農村ネットワークなどを活用して、情報交換と他プロジェクト・プログラムとの活動調整を行う。
4-4.
政府やドナーに対して、プロジェクトの成果や得られた教訓を発表し、農業普及のありかたについて提言する。

投入

日本側投入:

  1. 専門家派遣:
    1. 長期:3名(チーフアドバイザー、農業普及、営農、栽培、農家組織、業務調整を分担)
    2. 短期:必要に応じて
  2. 供与機材:試験器具および農業機械
  3. 活動費:35,000千円
  4. カウンターパート研修:年間1〜2人程度

相手国側投入:

  1. カウンターパートとその給与(9名以上)
  2. プロジェクト事務所、研修施設、農業試験施設・圃場
  3. 機材:車両4台および自動二輪車5台施設維持費