日本人専門家の参加のもと、チリ大学で「地震学ディプロマコース」が開かれました。

2016年7月22日

KIZUNAプロジェクトの一環として今年度からスタートした「地震学ディプロマコース」が7月4日から22日までの3週間、サンチアゴ市内のチリ大学物理数理学部で開かれました。チリやキューバ、ペルーなど12カ国23人の受講者が、地震学の基礎から応用までを幅広く集中的に学び、最終日に修了証書を受領しました。講義のほか、受講者たちはチリ国内に整備されている地震観測点や、観測点から送られてくるデータを集積し、地震を常時モニタリングしているチリ大学内の国立地震観測センターなども視察し、運用面に関する知見も広げました。
一方JICAは、長周期波動場のモニタリングによるリアルタイム地震解析システムを開発した東京大学地震研究所の鶴岡弘・准教授を本ディプロマコースに派遣。受講者の多くが、地震学における最新の研究方法や日本の緊急地震速報に強い関心を示しました。
鶴岡専門家はディプロマコース以外に、チリ人の専門家などを対象にした一般公開セミナーでも講義し、約70人の参加者は、2011年の東日本大地震で明らかになった地震観測の課題や、その後の海底地震津波観測網の整備状況などについて、熱心に聞き入りました。さらに鶴岡専門家は、国立地震観測センターに対し、リアルタイム地震解析システムの技術を移転し、その協力の様子はCNNチリニュースでも放映されました。

(文・写真 武田和代)

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チリ大で講義する鶴岡専門家。

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地震観測点を視察する受講者ら。