プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)耐震建築人材育成プロジェクト
(英)Human Resource Development Project for Seismic Engineering and Construction of Buildings, P.R.C

対象国名

中華人民共和国

署名日(実施合意)

2009年5月12日

プロジェクトサイト

北京市

協力期間

2009年6月1日から2013年5月31日

相手国機関名

(和)住宅・都市農村建設部
(英)Ministry of Housing and Urban-Rural Development

日本側協力機関名:

国土交通省住宅局、(独)建築研究所、(一財)日本建築センター等

背景

2008年5月12日、中国四川省で発生した大地震は死者・行方不明者8万7千人以上、倒壊家屋500万棟という未曾有の災害となった。

日本政府は、大地震からの復興支援を検討すべく、6月下旬に政府ミッションを中国に派遣し、日中間の協力の可能性を協議し、7月9日に開催された日中首脳会談にて、日本側から阪神・淡路大震災の復興経験を踏まえた「一つの全体計画と5つの柱((1)健康・福祉(2)社会・文化(3)産業・雇用(4)防災(5)まちづくり)」の下で、具体的な協力を推進していくことを確認した。

上記5つの柱のうち「まちづくり」に関し、JICAは9月下旬にプロジェクト形成調査団を派遣し、「農村耐震住宅への支援」、「耐震建築技術者の人材育成」、「復興都市計画・復興まちづくり」、「下水道耐震対策」の4分野について、住宅・都市農村建設部、四川省建設庁等と今後の協力の可能性について協議した。

その結果、今次地震で多くの被害があった農村住宅の耐震化への支援については、1)既に中国側(国レベル、省レベル等)が農村住宅のモデル設計およびその解説書を作成していること、2)中国側からも今後の問題は耐震設計モデルを地方レベルの施工者へ普及していくための研修であるとの説明があったこと、3)都江堰市農村部において既に着工されている農村住宅が、ある程度の地震に十分耐えられる設計と施工方法であったこと等から、本分野におけるわが国の「技術協力」の余地は大きくないと判断された。

一方、市街地を中心として建設されている中高層建築物を対象とした耐震建築人材の育成については、1)中国においては耐震建築の国家基準がすでに策定されているものの、その国家基準が十分に適切に実際の設計に反映されていないこと、2)構造技術者が不足していること、3)適切な設計を適切な施工につなげるための建築規制制度に課題を抱えており、建築行政官を含めた耐震建築の人材育成に対する協力の必要性が高いと判断された。これを受けて、正式に中国から本プロジェクトが要請された。

目標

上位目標

中国国内、特に耐震対策が緊要と考えられる地方の住宅、学校、病院等の建築物について耐震技術が普及する体制が整備される。

プロジェクト目標

本プロジェクトによって実施された研修によって、構造技術者及び関連の行政官が、耐震技術に関して更に理解を深める。

成果

H22年12月の中間レビューを踏まえて次の通り変更した。

  1. 本プロジェクトによる耐震建築人材育成方針が中国側により確定される。
  2. 講師人材に対する能力向上支援によって、耐震技術普及のための人材が育成される。
  3. 研修の知識・経験が教材としてまとめられ、耐震技術普及のための材料が作成される。
  4. 中国国内技術者・行政官向けの耐震技術・行政にかかる研修が実施される。
  5. 必要な耐震関連基準改訂が本プロジェクト実施機関により提案される。

活動

1-1
耐震設計に関する中国の基準および審査制度、設計・施工・監督監理の現状ならびに人材の育成状況等の課題を分析し初期条件を確認し、プロジェクト実施過程においてその効果を検証する。
1-2
本プロジェクトによる耐震建築人材育成方針を確定する。
2-1
講師育成のためのワークショップを実施する。
3-1
研修用教材を作成する。
3-2
研修用コンテンツ(カリキュラム等)を作成する。
4-1
耐震設計分野の研修を実施する。
4-2
耐震行政分野の研修を実施する。
4-3
その他分野(防災、歴史的建築物など)の研修を実施する。
4-4
確実な施工分野の研修を実施する。
5-1
必要な耐震関連基準改訂が本プロジェクト実施機関により提案される。

投入

日本側投入

ア.専門家派遣:

  • 長期専門家 3名
    • チーフアドバイザー/建築行政
    • 耐震建築
    • 業務調整
  • 短期専門家 約43名
    • 耐震設計
    • 耐震行政
    • 防災計画
    • 歴史的建築物の保全・保護
    • 研修企画
    • 確実な施工

イ.機材

  • 各分野の日本人専門家の技術移転に必要な資機材

ウ.プロジェクト実施に必要な経費の一部

  • 本邦研修受け入れに必要な経費
  • 日本人専門家の基本的な活動に必要な経費
  • 中国国内研修に必要な経費
  • 教材作成に必要な経費
  • 規範改定(案)作成に必要な経費

相手国側投入

ア. カウンターパートの配置

イ. ローカルコスト負担

  • プロジェクト事務所、事務用機器、必要な水道光熱費
  • 中国国内研修実施に係る運営費用全般
  • 日本での研修実施に際する一部費用の負担

ウ.専門家の活動にかかる便宜供与