中華人民共和国(以下、中国)では改革・開放政策を打ち出した1978年以来、高い経済成長率を維持している一方で、近年では特に職業病の多発が大きな社会問題となっている。
2008年全国職業衛生管理活動報告によると、同年新たに発生した職業病は1万3744件であり、職業病患者の累計人数、死亡者数、年間発症人数はいずれも世界でトップレベルとされている 。また、2009年の職業病新規発生件数は1万8128件と発表されており、統計が取れている数値のみでも4,384件の増加、約32%の上昇率を示している。2億2千万人以上と言われている出稼ぎ労働者の多くは、粉塵、有毒物質、騒音、湿気等の劣悪な…