プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)職業衛生能力強化プロジェクト
(英)Project on Capacity Building for Occupational Health

対象国名

中華人民共和国

署名日(実施合意)

2011年1月31日

プロジェクトサイト

北京市、モデル地区

協力期間

2011年3月31日から2016年3月30日

相手国機関名

(和)国家安全生産監督管理総局、安全生産科学研究院、衛生部食品安全総合協調・衛生監督局、CDC職業衛生・中毒
(英)State Administration of Work Safety, China Academy of Safety Science and Technology, Bureau of Healt

日本側協力機関名

厚生労働省

背景

中華人民共和国(以下、中国)では改革・開放政策を打ち出した1978年以来、高い経済成長率を維持している一方で、近年では特に職業病の多発が大きな社会問題となっている。
2008年全国職業衛生管理活動報告によると、同年新たに発生した職業病は1万3744件であり、職業病患者の累計人数、死亡者数、年間発症人数はいずれも世界でトップレベルとされている 。また、2009年の職業病新規発生件数は1万8128件と発表されており、統計が取れている数値のみでも4,384件の増加、約32%の上昇率を示している。2億2千万人以上と言われている出稼ぎ労働者の多くは、粉塵、有毒物質、騒音、湿気等の劣悪な環境下での労働に従事しており、特に塵肺や有機溶剤中毒の集団発症例が引き続き多発している。これら職業病発生状況のうち、塵肺の発症例が全体の70%以上を占めており、中国国内でもその対策の不備がメディアで大きく取り上げられるなど社会の関心が急速に高まり、中国政府としても迅速な対応が求められている。
このような状況に対し、中国政府は「職業病予防治療法(2002)」、「国家職業病予防治療計画(2009−2015)」等の制定により対策強化への姿勢を示してきたが、1)法令や基準の未整備、2)監督管理技術や情報収集・分析能力の不足、3)労働者自身の知識不足など、職業病対策は十分機能しているとは言えない状態にある。
こうした背景を受け、中国政府は職業病にかかる監督管理、技術サービス、情報収集・分析水準の向上、企業及び労働者の労働衛生意識と管理能力の改善を図ることを目的として、我が国に技術協力プロジェクトが要請された。

目標

上位目標

モデル地区で得られた職業衛生対策を基に中国側が確立する対策が他地域で導入される。

プロジェクト目標

モデル地区において、粉塵及び有機溶剤等による職業病に対する作業環境管理・健康管理が強化される。

成果

<成果1>
中央行政機関及び関連技術機関の粉塵及び有機溶剤等に対する作業環境管理及び健康管理に関する指導能力が向上する。
<成果2>
モデル地区における、行政機関及び関連技術機関の粉塵及び有機溶剤等に対する作業環境管理及び健康管理に関する指導能力が向上する。
<成果3>
モデル地区における企業及び労働者の職業衛生危害に対する予防意識と自主管理の能力(作業環境管理・健康管理)が向上する。

活動

1.1 作業現場の監督基準を策定する。
1.2 作業環境管理に関する研修教材を改善する。
1.3 作業環境管理に関する研修を実施する。
1.4 医療技術者に対する健康診断に関する研修教材を改善する。
1.5 医療技術者に対する健康診断に関する研修を実施する。
1.6 職業病診断医師に対する塵肺健康診断(撮影・読影技術)に関する研修を実施する。
1.7 企業管理者及び労働者向けの作業環境管理・健康管理に関する教材を作成する。
2.1 モデル地区における監督員に対する、作業環境管理に関する研修を実施する。
2.2 モデル地区における医療技術者に対する、健康診断に関する研修を実施する。
3.1 モデル地区の企業の実情を把握する。
3.2 モデル地区の企業の改善計画案を作成する。
3.3 モデル地区の企業の改善計画の実践をモニタリングする。
3.4 モデル地区の企業に対する作業環境管理・健康管理に関する研修を実施する。

投入

日本側投入

日本側:長期専門家 3名(チーフアドバイザー、労働衛生対策、業務調整/研修)
短期専門家 健康管理など必要に応じて派遣(年間6名程度)
本邦研修、現地研修
機材供与 必要最低限の機材を本邦研修も踏まえて確認のうえ検討する。
在外事業強化費

相手国側投入

中国側:カウンターパート
プロジェクトオフィス(光熱費等含む)
現地研修費用
機材調達
カウンターパート国内移動にかかる経費等