日中友好環境保全センター「日中大気環境モニタリング技術交流会」及び「第2回中国大気汚染分析に関する日中合同研究会」の開催

2018年8月24日

2018年8月23日、24日

日中友好環境保全センターとJICAは、1992年以来、技術協力プロジェクを行っており、現在はフェーズ5にあたる「環境にやさしい社会構築プロジェクト」(以下、本プロジェクト)(2016年~2021年)を実施しています。

本プロジェクトでは、大気汚染に関するモニタリング・分析評価能力の向上と大気環境保全政策についての研究推進を重要な成果の一つとしています。そこで、2018年8月23日、日中友好環境保全センターにおいて「日中大気環境モニタリング技術交流会」を開催しました。交流会では、モニタリングデータの信頼性を確保するために必要不可欠となる、精度管理と品質管理について意見交換を行いました。また、中国ではPM2.5対策が進んでいますが、より効果的な対策を行うために必要となる発生源解析や自動車排出ガス対策に関する日本の経験を共有しました。

翌8月24日には、清華大学において、「第2回中国大気汚染分析に関する日中合同研究会」を開催しました。本プロジェクトでは、大気分析装置であるMALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計)を調達し、日中友好環境保全センターに設置しています。本プロジェクトと清華大学との協力の下、MALDIを活用し、北京で採取した大気試料の分析と解析を進めており、その結果が出始めています。今回は、季節によって汚染物質の組成に有意な違いがあること等が紹介され、日中の大気専門家がその発生源や生成過程について議論を行いました。本プロジェクトと清華大学ではMALDIを活用した分析と解析をさらに進める予定で、より効果的な大気環境保全政策への貢献が期待されます。

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「日中大気環境モニタリング技術交流会」の冒頭、JICAから日中友好環境保全センターへMALDIを引き渡すセレモニーを開催

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「第2回中国大気汚染分析に関する日中合同研究会」。日本からは計7名の大気分野における著名な専門家が参加