プロジェクト活動

プロジェクト実施計画

(1):天然草地を取り巻く状況と活動

天然草地の利用については、中国政府及び地方政府において今後羊・山羊の中小家畜を増頭しないこととしています。このため、放牧頭数、放牧期間、放牧場所を制限し、徹底した管理を行うことになっています。具体的には、草原利用証の改訂により放牧地管理を厳密に行うと共に、放牧期間についても、毎年関係者が現地を見て入牧時期を決めるという事が進められています。

本プロジェクトでは、このような国、地方の施策に沿って牧民への啓発や規制を推進していく予定です。また、天然草の種子の追播や有害草の除去など、草地改良対策の展示を行って技術の普及を図っていく予定です。

そうすると少しずつ天然草地は回復していくことは確かでしょう。しかし、放牧頭数を制限することにより、家畜販売収入が減少することは明らかなことです。

(2):(1)を受けた定住地での活動

定住地では、天然草地での家畜販売収入の減少をリカバリーするのみならず、さらに収入の拡大図る必要があります。しかしながら、現在の定住地には営農技術の不足、耕作面積及び水資源の不足という課題があります。これに対し本プロジェクトでは、このように対処することとしています。

まず、技術面では、小家畜の生産性向上、飼料作物の生産性向上、中小家畜から大家畜への転換、換金作物の生産拡大、住民の組織強化による集出荷の改善、農外所得確保のための技術習得(これについては、研修などの連携を考えています。)

耕作面積や水資源の不足については、このプロジェクトでは新たなインフラ整備を行うことはありません。しかし、与えられた土地資源や水資源を有効に活用するために、耕地の均平化や塩類集積対策、水管理体制の強化、灌漑技術の改善に取り組む予定です。

グラフ

これを、農家の収入という尺度で模式的に表したのが上図です。

定住直後は、収入の全部が家畜販売によっていましたが、プロジェクト開始時は農業収入と農外収入が少しある状態です。プロジェクトが実施されるにつれ、天然草地利用が制限されるので家畜販売収入は減少していきます。逆に農業収入や牛肉乳の収入が増加し、全体では牧畜民の収入が増加していきます。

(3):プロジェクト後の中期的見通し

プロジェクト終了後は、回復した天然草地を適切な管理のもと利用していくことにより、家畜販売収入も微増するとともに定住地での収入も増大していくというシナリオです。