プロジェクトがスタートしました。

2015年5月19日

2015年3月24日、『障害のある紛争被害者のインクルージョンプロジェクト』(技術協力プロジェクト)が開始しました。今回は、まずプロジェクトの内容、日本から派遣された専門家チームと現在の活動を紹介します。

どんなところでプロジェクトをやっているの?

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南米の最北端にあるコロンビア共和国で実施しています。プロジェクト活動のパイロットサイトは、国内紛争の被害者が多いアンティオキア県のグラナダ市とサンタンデール県エル・カルメン・デ・チュクリ市という二つの市です。プロジェクトの後半では他の自治体でも活動を実施する予定です。

どんなプロジェクト?

コロンビア共和国では50年以上続く国内武力紛争の結果、多くの人が暴力による被害を受けています。プロジェクトの主な目的は障害のある紛争被害者の社会復帰・社会参加の促進です。

どんな人を対象としたプロジェクト?

障害のある紛争被害者をはじめとする、対象地域に住むすべての障害者の社会復帰・社会参加を促進するための活動を、障害者自身や家族、行政官、自治体職員、医療従事者等、コミュニティの多様な人たちと協力して実施します。

誰がプロジェクトをやっているの?

コロンビア共和国では、社会繁栄庁被害者支援総合補償ユニット(被害者ユニット)という機関が中心にプロジェクトを運営し、それ以外にも、障害者や紛争被害者の支援を行っている対人地雷に対する包括的行動局(DAICMA)と保健社会保障省が参加します。
日本からは、奥平真砂子チーフアドバイザー、上条貴子業務調整員、山田卓也技術協力専門家3人の専門家が派遣されています。

【画像】コロンビア共和国に到着したばかりの専門家3名。左から奥平真砂子チーフアドバイザー、上条貴子業務調整員、山田卓也技術協力専門家。(撮影:JICAコロンビア支所にて)

奥平チーフアドバイザーは車椅子利用者です。JICAはこれまでも短期専門家やボランティアとして障害者の派遣に力をいれてきましたが、長期専門家の派遣はコロンビアが初めてです。奥平チーフアドバイザーが、コロンビアの障害者のロールモデルとなること、そして障害者は国際協力の受益者であるだけではなく、主体者でもあることをコロンビア社会に伝えていきたいと思います。

発展著しいコロンビア共和国とはいえ、日本に比べると道路や交通機関等に段差が多く、アクセシビリティが不十分な部分もあります。まずは、プロジェクトのメインオフィスが置かれるメデジン市内で、色々なところをチェックして回っています。

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メデジン市内に走るモノレールの駅までの階段に設置されている簡易エレベータに初乗りする奥平専門家。

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メデジン市内に走るモノレールの駅までの階段に設置されている簡易エレベータに初乗りする奥平専門家。

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市内のアクセシビリティをチェックする専門家チーム。

まだまだ始動に向けた準備に追われていますが、コロンビアの障害者のために、チーム一丸となって頑張りたいと思います。