プロジェクトニュース_21

2017年3月30日

教員向け参加型環境教育研修の修了式にコスタリカ教育大臣が参加

2016年10月13日(木)に、教員向けの参加・体験型環境教育研修の修了式がグアシモにあるEARTH大学の講堂で行われ、コスタリカ教育大臣であるソニア・マルタ氏が式に出席されました。JICAからは、大澤正喜チーフアドバイザー、トルトゥゲーロ保全地域事務所からは、ラウラ・リベラ所長が主賓として出席しました。教員向けの参加型環境教育の研修は、MAPCOBIOのプロジェクトサイトのひとつであるバラ・デル・コロラド野生生物保護区の中にいる教員を対象にしたもので、2014年から2016年の7月まで5つのテーマを約2年かけて研修を行いました。バラ・デル・コロラド野生生物保護区の中の小学校の教員は研修後に、参加型の環境教育を各学校で行っており、現地の状況に合わせて様々な工夫を行っています。

大臣からは冒頭の挨拶で、「地球に住む人として、次世代のために生態系を守り、環境保護活動へのリーダーシップを醸成していくには、次世代への教育をどうしていくかが鍵となる。JICAと一緒に行ったこの環境教育研修はとても良いものだったと感じる。なぜなら、これからの時代は、地元のコミュニティに加え、外部の国際協力機関と共に活動しなければならないと感じるからだ。生態系を保全していく責任は、誰か一人に託すのではなく、たくさんの人が集まって、様々な違った職業と文化をもった人たちが、共にどうしていくかを考えていく必要があるからだ。」という言葉をいただきました。

バラ・デル・コロラド野生生物保護区は、西と東では行政区が二つに分かれており、西はサラピキ市、東はポコシ市の管轄になっています。研修後のフォローアップは行政区ごとの各担当官が管理しており、研修後の成果を、二つの地区代表がそれぞれプレゼンテーションをおこないました。各地区で、教員と生徒が一緒になって、どのような環境教育活動を行ったのか、どう感じたのかなど写真を見ながら説明をしました。ポコシ市の小学校からは学校菜園の取り組み、サラピキ市の小学校からはリユース、リサイクル、リデュースの活動について発表してくれました。

大臣はとても気さくな方で、発表後、その場にいたすべての教員と生徒から、それぞれ写真に収まることを求められましたが、終始笑顔ですべての人に応対していました。

研修の満足度が高い一方で、研修を受講した教員が研修後に各学校で環境教育の授業を行ったとしても、その教員に異動があるとその学校で参加型の環境教育の知識がある教員がいなくなってしまう、という問題があります。こうした研修により現在でもある程度の持続性は担保されているけれども、学校における環境教育をより持続可能なものとするには、今回の経験をいかして誰もが見てわかるマニュアルを作成すること、そして、教員に加え周辺地域の住民を地域における環境教育の協力者としていくシステムを作ることが、次なる課題として見えてきたと感じています。

大臣のスピーチの中に、「コスタリカは小さな国だが、協力していくことのできる国だ」という言葉があり、環境や生態系というものを考える時、たくさんの国が国境を越えて協力し合うことの大切さを再認識した修了式でした。

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ラウラ・リベラ氏(左)、ソニア・マルタ教育大臣(中央)、大澤正喜専門家(右)

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修了式の様子写真

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小学校のプレゼンテーションの様子

【画像】研修に参加した教員と大臣との集合写真