5年間のプロジェクトの幕開け−キューバの農業普及体制の強化を目指して−

2017年7月6日

2017年2月

日本から遥か12,000km離れたカリブ海に浮かぶ島国、キューバ。本州の約半分の広さに、ラテンの陽気な人々が暮らしています。1959年のキューバ革命以降、キューバ危機、ソ連邦の崩壊、それに起因する経済危機等様々な局面に直面した経験からも、人々にはそれを乗り越えてきたという誇りや助け合いの精神が強いところも特徴的です。2015年7月には米国との国交回復が実現し、今後は経済と社会両面で新たな局面を迎えていますが、現状では食料消費量の約70%を輸入に依存するなど、厳しい経済社会状況にあります。

我が国は、2003年よりキューバの主食である米の生産強化支援を継続し、米の優良種子の生産拡大に貢献してきました。約14年に亘るこれまでの協力の成果、また米種子の技術普及体制強化の経験はキューバ政府に高く評価され、今後は米のみならずフリホール豆、トウモロコシの生産農家に対する技術普及の強化に拡大すべく、2017年1月「基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト(通称SEGRANOS)」が開始されました。

このプロジェクトは、農業省傘下の穀物研究所(IIGranos)の8名の若手技術者と、7名の(若手?!)日本人専門家で展開していきます。

これまで国営大規模農業が主流であったキューバにおいて、「生産者に対する農業技術を普及する」という発想は新しく、まずはキューバにおける農業普及とは何ぞや?という事から考えながらのスタートですが、5年後には「普及員」なる人々が現場を走り回る絵を夢見て、進んで参ります!(総括/農業普及システム(企画・管理):大形いずみ)

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地方試験場普及担当者による現況・課題発表ワークショップ(2017年2月9日〜2月10日) 出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム