青年の島で現地踏査を実施

2017年8月31日

2017年4月

2017年3月14日から16日にかけて、青年の島において現況調査を実施しました。青年の島では、本土から島に米が届くのに時間を要することに加え、2010年以降に米の価格が上昇したことを受け、島内で米生産が始まりました。2010年に生産試行を開始した当初は、米生産農家はたったの11世帯。2015年現在には53名と生産者数は増えていますが、全生産者が新規就農者であり、見よう見まねで生産していることから、思うように収量が上がっていないのが現状で、農業普及のニーズは非常に高いと言えます。

青年の島の穀物生産強化は、従来、穀物研究所の本部が管轄していましたが、2017年1月の組織替えにより、新たに開設された穀物研究所傘下の試験場がその役割を担うことになりました。まだこれから試験場の機能を備えるために人材育成も、設備の強化も不可欠な状況ですが、試験場設立当初から同島の現状に寄り添った農業普及体制の強化を考えられることは利点でもあります。本プロジェクトは、その手助けになることを確信しています。

最後に、ハバナから島まではプロペラ機で40分なのですが、帰りは天候不順により飛行機が飛ばず、10時間空港で待ちぼうけを食らう羽目になりました。そうした待ち時間にカウンターパート達と密に話ができたのも、貴重な時間でした。(農業機械:阿保宏)。

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地方試験場の既存トラクター。1台のみで作業機は無い。
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム

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地方試験場の前身は食物防疫所であったため、検査機器は一通り揃い、現在も検査が行われている。
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム