ゲバラ・グッズあれこれ

2019年3月8日

2019年1月

キューバのお土産といえば、ラム酒、コーヒー、葉巻が有名ですが、チェ・ゲバラグッズも根強い人気があります。お土産屋さんには、ゲバラの顔をプリントしたTシャツをはじめ、ピンバッチ、マグネット等の小物にもゲバラがいっぱい。ゲバラの顔を焼き付けた皮の財布もあり、JICA関係者の中にも愛用されている方がいます。

中級のゲバラファンになると10枚入りのゲバラ・ポストカードセットやゲバラ切手シートが喜ばれます。2003年の没後35周年と2017年の没後50周年の組み合わせがベスト版と思います。また、ゲバラの肖像入りの3人民ペソ紙幣(約8円)とコインは、値段の割に日本人の間では重宝がられます。両替屋で両替時に尋ねると時々ありますので、こま目にあたってみましょう。常時流通している紙幣、コインですので、奇麗なものにはなかなか巡り会えません。手に入れたら大事にとっておき、初級者に自慢しましょう。

ゲバラファンも上級者になると街のお土産屋さんで売っているようなグッズには関心を示しません(実はもう持っている?)。上級者がぜひ手に入れたいのが、みなさまもどこかで見たことがある、あの有名なゲバラの写真を撮ったキューバ人写真家Alberto KOLDA氏の写真集(2008年発行)です。実はこの顔写真にはコピーライトをつけなかったのが幸いし、世界で一番出回っているブロマイドだと言われています。この写真集には他にもキューバ革命の歴史を切り取った有名な写真が多数掲載されており、ゲバラファンのみならず、キューバファンにも満足できる1冊です。さらに、ゲバラ自身が撮った写真を集めたゲバラ・セルフポートレイトという写真集も人気があります。1959年7月に訪日した時の写真も入っています。写真集を市中で入手できなかった場合、帰りの空港で買うのがおすすめです。

さらに上級者の上をいく、ゲバラ通になると、ゲバラの顔をデフォルメしてデザインしたポップアート的なゲバラポスター等、ありのままのゲバラではなく、抽象化され、ゲバラのイメージが結晶化されたような「レアもの」を追求するようです。その追求心は何となく分かるような気もしますが、筆者は今のところ写真集で満足しています。

そのようなディープなゲバラファンにとってバイブルとなるのが、「イコンとしてのチェ・ゲバラ:英雄的ゲリラ像とチェボリューションのゆくえ」(加藤薫著 2014年)です。中南米美術史家の筆者が歴史・文化・芸術の観点からゲバラ像を分析、世界中のあらゆるゲバラ像を紹介しています。宇宙に行ったゲバラ、キリストと一体化したゲバラ、アニメになったゲバラとこれでもかとういうぐらいのゲバラワールドです。きっとそこにはデフォルメされたあなたのお気に入りの「チェ」がいることでしょう(上級者以上になるとゲバラではなく、親愛の情を込めて「チェ」と呼ぶようになります)。
(チーフアドバイザー:北中 真人)

【画像】

キューバの街中あちらこちらにゲバラの肖像画がペイントされている。
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム