第4回普及協力農家会合の実施

2020年1月21日

2019年6月

本プロジェクトでは、農業普及活動の推進のために関係機関との連携強化を目指していますが、その中で特に要と捉えているのは地域のリーダー的な農家との連携です。SEGRANOSは、こうした農家を普及協力農家として捉えて協力協定を結び、これまでも数回にわたり、普及協力農家会合を開催してきました。約半年前に実施した第3回会合では、協力農家ひとりひとりの協力テーマを特定し、活動の展開とモニタリングを行う体制を整えました。これに基づく活動の進捗や実績を共有すること、また普及協力農家同士のネットワークやIIGranosとの関係を強化し、普及活動の促進につなげることを目的に、6月28日、ハバナにおいて、第4回普及協力農家会合を開催しました。

当日は、全国14県より146名の普及協力農家、農業公社グループの稲作局長のほか、IIGranosより15名、地方試験場より20名、在キューバ日本大使館、JICAキューバ事務所などから、総勢約200名がハバナに集まり、地方試験場や普及協力農家代表者による活動の進捗発表や、活発な意見・情報交換が行われました。

今回の会合では特に第3回会合で農家から挙がった要望に応えることを意識し、例えば、前回要望の高かった、植物由来肥料を利用した栽培技術について、植物検疫研究所との連携により講義を行ったほか、同研究所から情報提供を受けて教材を作成し、配布しました。また、100種近くの栽培関連情報を集めた電子教材をUSBにて配布したり、普及協力農家同士のネットワーク強化のために、リソースダイレクトリーのアプリを作成・配布するといったことも試みました。他にも、IIGranosの米、フリホール豆、トウモロコシの各部署、病害虫調査部等の協力を得て、品種別情報の展示や既存教材の配布したり、農家が自由に質問を行える相談デスクを設け、農家が必要な情報を得られると同時に、IIGranosの研究員が農家のニーズや現場で起きている事象・情報について把握し、農業普及と調査研究の連携を深める契機を作りました。

参加者からは、「こうした会合により、経験豊富な他県の普及協力農家と意見交換できる機会があるのは大変良い」、「前回会合でのリクエストに応えて教材や普及協力農家のリソース・ダイレクトリー・アプリ等も作成してもらえたことは活動にとって有意義である」といったコメントが寄せられるとともに、キューバを取り巻く政治・経済状況が厳しいからこそ、農家が協力して乗り越えなくてはならないといった力強いメッセージもあり、今後の活発な展開に期待が膨らむ会合となりました。
(総括/農業普及システム(普及企画・管理):大形 いずみ)

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約150名の参加農家は前日にハバナに到着し、IIGranosによって配布されたTシャツを着て会合に臨んだ。
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム

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IIGranos関係部局の協力による展示・相談デスク
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム