地方試験場の普及体制の強化に向けて-農業機械研修の実施-

2020年1月21日

2019年10月

本プロジェクトでは、普及活動の場として、4ヵ所の地方試験場に展示圃場を整備するために、田植え機や収穫機などの農業機械を供与することとなっています。2019年9月、念願の機材が穀物研究所に到着したことをうけ、10月に、機材の設置・納品検査と使用方法についての研修を実施しました。研修は、各々地方試験場の機械のオペレーターを対象に、施肥や除草剤の散布に用いるスプレイヤーの研修と、田植え機・収穫機などの農業機械の研修の2回に分けて実施しました。

田植え機などの機材については、オペレーターも多少使用経験があり、特段操作の難しさはなかったようですが、スプレイヤーはこれまで余り用いられていない機械であったため、参加者の関心はより高く、熱心に操作方法を学んでいました。最終日のフォローアップ会合では、参加者からは、農業機械の近代化を通じて、キューバにおける穀物生産量の増産、また自給率の向上に資することができるよう、技術力を高めていきたいといった意気込みが述べられました。

当初は各試験場の圃場にて研修を実施する予定でしたが、この頃、キューバは深刻な燃料不足に陥っていたためにそれは適わず、オペレーターをハバナに招集しての実施となりました。このために、かえって地方のオペレーター同士が意見交換を行えたことは、結果的にはかえってよかったかもしれません。

キューバの穀物生産の圃場は大規模なため、農業機械の利用は欠かせません。プロジェクトでは、今後もオペレーターの技術力を把握し、今後の研修ニーズなどについて確認しながら、必要に応じた研修を実施していく予定です。
(副総括/農業普及人材育成:池野 雅文)

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スプレイヤーの概論にかかる講義風景
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム

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圃場における技術実習風景
出典:キューバ国基礎穀物のための農業普及システム強化プロジェクト・チーム