プロジェクト開始

2017年8月1日

キューバでは、生涯がん罹患リスク(23%)、生涯がん死亡リスク(13%)及びがん5年生存率(人口10万対984)は、中南米地域の平均(それぞれ18%、10%、人口10万対601)より高い水準で(2012年GLOBOCAN)、また国民の死因の第1位となっています(2012年キューバ保健統計年鑑)。統計上のがん罹患率の低さと治療開始の遅れに代表されるがんの発見・診断の遅れが、5年生存率の低さにつながっていると考えられることから、がんの早期発見に資する診断能力の向上と集団検診システムの改善が重要な課題となっています。

またキューバでは、外貨不足による財政難の影響で、医療機材の更新や部品の調達が容易ではない状況下、それらの機能停止を未然に防ぐ活動と回復させる活動の強化を、国立医療機器センター(Centro Nacional de Electromedicina、以降「CNE」という)が中心となって長年取り組んできましたが、従来の医療機材の持続的な稼働に対する取り組みに加え、現在の高度な医療技術水準に対応する新たな計測・校正の制度づくりやその運用の能力強化は、医療機器の性能を維持させる上でも重要な課題です。

そのため、がん患者に対する迅速かつ的確な医療サービスの提供を目指した、がん診療サービスの体制強化に向け、また、医療機材の性能を維持し、信頼性と安全性を確保することで質の安定した保健医療サービスの提供ができるよう支援するため、2017年7月2日に、プロジェクトの専門家3名がキューバに派遣され、本プロジェクトが開始されました。

医療先進国をうたうキューバと日本で仲良くコラボしていこうと思います。
(業務調整/研修監理:岡村優子)

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RD署名式(キューバ公共保健省にて)

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機材の供与(MEDICUBAにて)