Best French Poster Award受賞

2016年11月19日

2016年11月14日から18日までカナダバンクーバーで開催された第4回保健システムリサーチ国際シンポジウムにおいて、コンゴ民主共和国でJICAが支援するエボラウィルス病対策および保健人材養成のための国家政策策定について、同国保健省関係者がポスター発表を行いました。その結果、保健省継続教育局長が発表したエボラウィルス病対策に関する演題が約450あるポスターのなかから、見事Best French Poster Awardを受賞しました。
エボラウィルス病は、1976年にスーダン南部とコンゴ民主共和国で初めて流行が確認されました。その後も同国において7回に渡る流行が発生し、同国はこれを制圧してきました。この経験から得られた教訓として、平時からコミュニテイーとのコミュニケーションが大切であり、コミュニテイーが疾病をコントロールするオーナーシップを持つことが重要である事が分かってきました。加えて、国および現場レベルでのコーデイネーション、ロジスティックス、サーヴェイランス(疫学、検査)、現場レベルでのエボラウィルス病治療センター運営、コミュニテイーにおける社会心理学的ケアを患者ケアの中に含める事など、包括的かつ多くの専門家の知見が必要な事も分かってきました。このような経験知を、保健省次官付顧問池田専門家やJICAコンゴ民事務所馬淵企画調査員、さらには世界保健機関などとの協働支援のもと、疾病対策局、継続教育局や国立生物医学研究所など同国保健省の強いイニシアティブによって研修モデュールが作成されました。エボラウィルス病治療センターにおける実践訓練も組まれており、包括的な研修プログラムが開発されました。これらのエボラウィルス病対策を効果的にプレゼンテーションするため、継続教育局長が保健人材開発支援プロジェクトフェーズ2田村チーフアドバイザーの支援を得てポスターを作成し、これを発表したところ、見事Best French Poster Awardを受賞するに至りました。コンゴ民JICA関係者と保健省関係者の総力で実施されているエボラウィルス病対策が、国際的な場で評価されたと言えます。
なお、この研修モデュールは、JICAコートジボワールの支援によって、コートジボワール保健省にも適用され、完成度の高い研修モデュールである事が評価されました。更に、西アフリカでのエボラウィルス病対策を強固なものにするため、JICAセネガルの支援によって、西アフリカ8か国にも適用されました。このように、コンゴ民でのエボラウィルス病対策に関する事業が、JICAの支援によってアフリカ各国に広がっています。

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Best French Poster Awardを受賞したコンゴ民主共和国保健省継続教育局長

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ポスター発表の様子(中央:コンゴ民保健省継続教育局長、右:同総務人材局長)

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国際シンポジウム会場にて(左から2番目:基礎教育局長、中央:総務人材局長、右から2番目:田村チーフ)

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エボラウイルス病治療センターでのシミュレーション指導をする保健省次官付顧問池田専門家(右から2番目)

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研修モジュール作成の様子

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保健省次官付顧問池田専門家の活動の様子