カサイセントラル州保健医務局に対し機材を供与しました

2017年8月24日

コンゴ民保健省、特に人材開発分野における年間予算のうち99%が人件費(財源:国家予算)で、残り1%が事業費に充てられているとの報告が国家保健人材開発計画(2011〜2015)の評価報告書の中で明らかになっています。事業費の主な財源は開発パートナーからの支援によるもので、パートナーの支援によって日々の活動が行われていると言っても過言ではありません。そのような状況下で、業務に必要となるパソコンや備品などの購入に充てられる予算はないに等しく、ボロボロになったパソコンをかろうじて使っていたり、消耗品の確保が十分でなかったりします。さらに、地方においては電力の確保でさえ厳しいところもあります。そのようなところは発電機を動かし電力を供給しているのですが、燃料切れとなったら最後、次にいつ燃料を補充できるか分かりません。プロジェクトの介入対象州であるカサイセントラル州(首都キンシャサから807Kmに位置)もそのうちの1つで、ほぼ電気がない状態です。電気がないというのは、町に電気はきているものの、事務所となる州保健医務局には電力が供給されていないという何とも複雑な状況なのです。この州保健医務局では現在、太陽光発電とガソリンによる発電機によって電力をまかなっていますが、全ての部署に電力が供給されているわけでなく、日々の業務に多大な支障をきたしています。電気がないから活動が進まないなど本末転倒、というわけで、職場環境の改善を図り効率的に仕事ができるよう州保健医務局にソーラーパネルと蓄電池を設置しました。その結果、これまで電力が供給されていなかった資源管理部、秘書室、会議室で電気が使えるようになりました!これからはいつ切れるか分からない電気の心配をすることもなく業務に集中できるとの喜びの声が届きました!

さて、設置工事に関しては、キンシャサの業者に依頼。必要機材を現地に空輸したり、技術者を派遣したりと業者に一切を任せあとは完了の報告を待つのみでした。しかし、途中カサイセントラル州の情勢不安が勃発!そのため作業工程が中断してしまうこともあり、果たして納期内に作業完了できるのかという心配がありました。やり遂げると言ったコンゴ人業者を信じつつ、作業過程の進捗確認を頻回に行い、そして無事に工事終了の連絡を受けた時はホッとしたものです。

と、機材供与だけでなく、日々の活動においても遠隔地への協力は、なかなか思うように物事が進まず、迷い、悩み、困難が多く、ながい長い道のりなのですが、カウンターパートたちの「ありがとう」の声が届くと、これまでやって来たことが報われるようで胸をなで下ろしているところです。これからも、もっともっとコンゴ国民の健康改善ためにがんばってくださいね、と保健医務局関係者にお返事をする今日この頃です。

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ソーラーパネル、これを3枚保健医務局の屋根に設置しました。

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機材投入前の風景。ソーラーパネル以外にも事務机やキャビネットを供与。保健医務局内の事務所

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機材投入後の風景。整理整頓されすぐに必要な書類を見つけることができるようになりました。