州保健人材年鑑が完成しました

2017年12月21日

このプロジェクトでは、中央保健省と協働しながら地方での活動も展開しています。コンゴ民全26州のうち、プロジェクトの3つの介入対象州であるコンゴセントラル州、カサイセントラル州、オカタンガ州にて州保健人材年鑑の作成支援の活動も重要な活動の一つとして行ってきましたので、ご報告致します。

保健人材年鑑とは、世界保健機関(WHO)と世界保健人材連盟(GHWA)が作成を推奨している保健人材管理に関する報告書の一種です。コンゴ民では、2013年から保健人材年鑑を定期的に発刊しており、保健人材養成校数や学生教員数、保健人材の数を職種や地域毎に集計したり、継続教育の実施状況もまとめたりしています。この年鑑は、全26州の情報を集約した全国版と、州ごとに作成する地方版があります。今回は、介入対象3州で州保健人材年鑑を作成しました。

その内容をみると、以下のような概要が見てとれます。

  保健人材1)総数 医師数 看護師数 助産師数2) 州都への配置割合 人口千人あたりの配置数3)
コンゴセントラル州 9,092 624 4,966 177 9.7% 2.3人
カサイセントラル州 6,823 302 3,423 202 20.5% 1.5人
オカタンガ州 5,249 726 1,809 118 47.1% 1.0人

1)保健人材とは、医師、看護師をはじめとする保健医療専門職と保健医療分野に携わる事務職員を示します。
2)ここで言う助産師は、助産助手と助産師の2職種を含みます。
3)2006年に発刊されたWHO世界保健報告Working together for healthでは、人口千人あたり2.3人の保健人材の配置を推奨しています。

  医学部数 看護師養成校数 助産師養成校数 継続教育受講者数(のべ)
コンゴセントラル州 5 67 3 12,763
カサイセントラル州 3 27 14 -
オカタンガ州 3 16 3 -

この年鑑の作成支援にあたっては、石嶋忠行長期派遣専門家とともに、染谷陽子短期派遣専門家の協力により、これが完成しました。

今後、この情報を基に人材養成校や養成数のコントロールや適正配置、そして適正な継続教育機会の提供など、保健人材開発の政策決定に利用される事になります。

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コンゴセントラル州保健人材年鑑

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カサイセントラル州保健人材年鑑

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オカタンガ州保健人材年鑑

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コンゴセントラル州保健人材年鑑作成ワークショップの開会挨拶をする染谷陽子短期派遣専門家

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ワークショップで技術指導をする染谷陽子短期派遣専門家

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オカタンガ州での年鑑作成ワークショップの様子

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年鑑作成過程でコメントする石嶋忠行長期派遣専門家