シンポジウム「東ティモールの高等工学教育」の開催

2013年12月5日

2013年12月5日、ディリ市内のホテルにおいて、東ティモールにおける高等工学教育(Higher Engineering Education in Timor-Leste)と題してシンポジウムが開催されました。本シンポジウムは、東ティモール大学工学部関係者の他、教育省、財務省、公共事業省、私立大学、民間企業関係者などから広く参加者を募り、東ティモールの社会経済の発展に貢献する高等工学教育の方向性、あり方を議論することを目的としました。開催にあたっては、プロジェクトが運営支援している東ティモール大学工学部学術委員会(Academic Committee)が主催となり、開催運営はプロジェクトがサポートしました。

シンポジウムでは、JICA東ティモール事務所の高田裕彦所長、東ティモール大学学長のDr. Aurelio Guterres、教育省高等教育局総局長のMr. Abrao dos Santos、3名の挨拶により始まり、それぞれ高等工学教育が、東ティモールの社会経済の発展において非常に重要な役割を担うという主旨のスピーチが行われました。

シンポジウムの構成は3部に分かれており、下記のプログラムに沿って講演、パネルディスカッションなどが行われました。

第1部

基調講演:
Higher Engineering Education in Timor-Leste
Mr. Inacio Freitas Moreira、国会議員(元東ティモール大学工学部長)
講演1:
A Labor Force Plan Preliminary Findings of Ministry of Finance and JICA Study
Mr. Joao M. Saldanha、Ph.D、財務省、シニアマネージメントアドバイザー(経済政策)
講演2:
Presentation on Southern Coast Project
Mr. Luis Martins、Timor GAP、ディレクター、ビジネスデベロップメント部

第2部

基調講演:
Experience of Higher Engineering Education in Indonesia
Prof. Dr. Satryo Soemantri、元インドネシア教育省高等教育総局長、JICA専門家
講演1:
Cooperation and Networks for Human Resource Development in UNTL
Ms. Ligia Tomas Correia、東ティモール大学副学長(国際協力担当)
講演2:
Faculty of Engineering、Science and Technology、UNTL
Mr. Gabriel Antonio de Sa、東ティモール大学工学部長
講演3:
JICA CADEFEST Project
Prof. Dr. Hidehiko Kazama、チーフアドバイザー、CADEFESTプロジェクト

第3部 パネルディスカッション

ファシリテーター:Prof. Dr. Joao Cancio Freitas、東ティモール大学アドバイザー

【パネルメンバー】
  • Prof. Dr. Hidehiko Kazama(チーフアドバイザー、CADEFESTプロジェクト)
  • Ms. Ligia Tomas Correia(東ティモール大学副学長(国際協力担当))
  • Mr. Gabriel Antonio de Sa(東ティモール大学工学部長)
  • Prof. Dr. Satryo Soemantri(元インドネシア教育省高等教育総局長)
  • Mr. Marito de Menezas(ディリ工科大学工学部長)

第1部は東ティモールにおける高等工学教育の政策、および東ティモールの労働力ニーズ調査に基づいた工学教育、産業界において必要な工学人材について主に議論され、第2部では隣国インドネシアの工学教育の歴史および現状、東ティモール大学工学部での教育、研究活動の実際、およびCADEFESTプロジェクトの活動などが紹介されました。第3部においては、第1部、第2部の発表者によるパネルディスカッションが行われ、参加者との質疑応答も交えながら東ティモールにおける高等工学教育のあるべき姿について活発な議論がなされました。

シンポジウム会場では、プロジェクトで支援している工学部教官の研究成果がポスター形式で展示され、工学部の研究活動をアピールする場としても有意義なシンポジウムとなりました。今後も定期的にこのような場を持ち、他の組織ともネットワークを強化することによって、東ティモール大学工学部の教育、研究が東ティモールの社会経済発展により有効かつ、効率的に貢献できるよう、プロジェクトとしてもサポートしていく予定です。

以上

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講演風景

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パネルディスカッション