2015年9月16日
2015年9月16日、JICA無償資金協力により復旧改善工事中の東ティモール国マナツト県及びバウカウ県のブルト灌漑施設を視察しました。
この灌漑施設は、首都ディリから車で2.5時間ほどのマナツト地区にあり、東ティモール国政府が米の生産拡大施策として特定した優先灌漑地区のうちの一つです。同地区の圃場の手入れはよく行き届き、農民の生産意欲も他地域に比べて高いのですが、伝統的な手法で灌漑され、取水が不安定なために、雨期で2.0 t/ha、乾期で1.8 t/haと同国内でも生産性が低く留まっていることが課題となっています。現在の工事は、過去にインドネシア政府が建設した灌漑施設を土台に、灌漑施設の復旧工事を行っており、2016年12月に灌漑施設の完成が予定されています。
東ティモール大学工学部では今年から最終学年にインターンシップを実施することになっており、土木学科の学生がこの灌漑プロジェクトにて2ヶ月間研修を行いました。今回の視察では、東ティモール国立大学土木工学科の教官と関根短期専門家(山口大学教授)が現地の状況を確認し、どのような研究テーマが考えられるかも検討されました。今後も、教官たちが東ティモールの現場に足を運び、ニーズを把握し、学術的に貢献していくことが期待されます。
最後にこの場をお借りして、今回の視察受け入れを快諾し、当日はきめ細やかな説明と案内をしてくださった常駐管理者寺田様、株式会社安藤・間およびNTCインターナショナル株式会社の駐在技師の方々に、心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
常駐管理者寺田様による説明
視察メンバー
水路建設の視察