【第10号】農業水産省(MAF)内で開始した、国産米のテスト販売“舞台裏”エピソード!?

2017年5月18日

皆さん、こんにちは。今回のプロジェクトニュースでは、[第9号]でご紹介しました「チャクブ組合による国産米のテスト販売がいよいよ開始!!」の“舞台裏”に迫りたいと思います。見事なライン!!のエピソードや、まさかの途中で!?のエピソード、首都ディリを目前にして!?の三本エピソードを一挙にお届けしたいと思います。

見事なライン!!

今回チャクブ組合へ実施した技術支援の一つが、日本の農業協同組合(JA)では一般的である共同選果選別ライン、通称“共選ライン”のOn the Job Trainingによる導入です。日本のライスセンターでは、籾の荷受け後は、籾受けホッパー→粗選機→計量機→テストドライヤ→自主検査装置→貯蔵ビン(送風機乾燥)→遠赤外線乾燥→仕上げタンク→籾摺り機→色彩選別機(色選)→精米(色選)という工程を全て機械が全自動で行いますが、東ティモールでは精米を除き、全て手作業!?そのため人員配置や作業効率を考えた結果、野菜や花卉に類似する共選ラインを設定。日本に負けないくらいの見事な共選ラインが完成し、荷受けから出荷までの生産工程が円滑に流れるライン体系となりました。これでついに、チャクブ組合によるマリアナ産ブランド米の生産が可能に!

まさかの途中で!?

首都ディリでの国産米のテスト販売まで、残り二日。停電に合いながらも無事に1kg 100袋、3kg 100袋、5kg 150袋、10kg 150袋の包装を終え、初荷となる出荷当日の朝。ついにボボナロ県マリアナ地区から首都ディリまでの150kmの道のりを、組合トラックで走行するという最大級の山場に差し掛かりました。無事に何事もなく辿り着くことを祈るも…..。何もない道で、まさかのトラックが停止!?ナショナルスタッフ(NS)による通訳によると、“クラッチペダルを踏んでも、ペダルが戻らずギアが変えれない。”とのこと。トラックの故障を見越して、二日前入りで組んだが、何もない道の真ん中で果たして何とかなるのか?しかし、そこはさすが東ティモールの人たち!!肝が据わっているのか、日常茶飯事なのかは別として、慌てる様子もなく、猛暑の中を汗とクラッチオイルにまみれながら三時間かけて無事に部品交換を終了。肩をなで下ろし、いざ首都ディリに向けて再び出発!

首都ディリを目前にして!?

首都ディリ到着まで残り約二時間。旅路は順調!のはず?ついさっきまで猛暑で熱風が吹き込んでいたのに、いつの間にか風が冷たくなってきているような....嫌な予感が的中。土砂降りの大雨に!!荷台の米が水没の危機に!!より多くの米を載せ、輸送コストを下げることを重視したばっかりに、パレット(板木)の上には載せず、ビニールシート上に直接積載という戦略が裏目に!結局、到着までの二時間大雨は止まずにディリに到着。水没は確定しているが、いったい何袋が商品として販売できないのか。恐る恐るビニールシートをめくると、滝のような雨水が荷台から流れ落ちる。停電に見舞われながらも無事に500袋を完成させ、トラックの故障を乗り越え、首都ディリまで目前というところで再び災難に。もはや荷台の米は絶望的と思えたが、チャクブ組合に奇跡が!!わずか1キログラムの1袋のみの水没で、499袋が無事というありえない奇跡に遭遇!!この奇跡もあって、[9号]でお知らせしたとおり、無事にテスト販売を開始することができました。まさに山あり谷ありといった“舞台裏”。このような舞台裏エピソードも交えながら、皆さまにお伝えして参りますので、次号も是非お楽しみに!

【画像】

倉庫 清掃前

【画像】

倉庫 清掃後

【画像】

集出荷場として共選ラインを設置
(左:籾袋 右:精米機 右中段:選別・包装)

【画像】

選別作業の様子

【画像】

クラッチペダルの修理の様子

【画像】

大雨の中を走行中の様子