【第42号】ブルト地域の農家を対象に栽培暦の正常化に関するワークショップを実施

2018年10月17日

栽培暦の正常化とは、以前よりも遅れてきている栽培暦に関し、作業開始を雨期の早期に戻すことを提案している、農林水産省(MAF)とプロジェクトのアプローチです。

ブルト地域の伝統的な灌漑施設では、農家は二期作を行うための十分な水を確保することが困難でした。しかし、JICAの支援によるブルト灌漑施設の改修が完了した現在では、農家は年間を通じて水を確保することができ、二期作が可能となっています。一方で、多くの農家は従来慣行のまま雨期中期以降まで栽培時期を遅らせています。雨期早期に栽培暦の正常化を行う重要性を農家に伝え動機付けるため、ワークショップを行いました。

稲作技術の小田島専門家はこう語ります。「農家は雨季の早い段階で一作目を行えば、早期収穫により市場機会を捉えることができ、かつ水不足の心配なく二作目も行えます。また、国産米市場はMAFとプロジェクトが業者や農家組織と協調し開拓されつつあります。暦の正常化により米の生産量を増加させ、所得を得ることが期待されます。」

このワークショップはブルト地域の村ごとに開催されました。各村長自らがワークショップを主導し、雨期早期に稲作を開始することを強く呼び掛けました。ワークショップは、ブルト地域とマリアナ地域において、プロジェクトの対象10村において合計12回実施されました。

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カイクア村長がワークショップを主導

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小田島専門家が栽培暦の正常化を説明

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ワークショップの内容を熱心に聞く参加した農家さん達

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ワークショップの内容を熱心に聞く参加した農家さん達