プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)東ティモール大学工学部支援プロジェクト
(英)The Project for the Capacity Development of Teaching Staff in the Faculty of Engineering, The National University of Timor-Leste

対象国名

東ティモール

署名日(実施合意)

2005年3月16日

プロジェクトサイト

(日)東ティモール大学工学部
(英)The Faculty of Engineering, The National University of Timor-Leste

協力期間

2006年4月1日から2009年3月31日
2009年4月1日から2010年3月31日(延長期間)

(2006年5月以降の内戦によるプロジェクトの中断のため。2007年8月にプロジェクト再開。)

相手国機関名

東ティモール大学工学部、教育文化省

日本側協力機関名

埼玉大学、長岡技術科学大学、岐阜大学

背景

東ティモールでは1999年8月の独立を問う直接投票後の混乱により、多くの住民が避難を余儀なくされ、教育機関を含む物的インフラの7割以上が破壊・使用不可能となるなど甚大な被害を被った。東ティモール暫定行政統治機構(UNTAET/ETTA)は2000年11月に東ティモール大学を開校。国造りを担うべき技術系人材の育成の観点から、インドネシア時代の旧東ティモール・ポリテクニックを母体として工学部に電気/電子工学科、機械工学科、土木工学科を設置したが、東ティモールでは高等技術教育体制の整備・運営に係る経験・知識が不足しており、我が国に支援を要請してきた。

我が国は、東ティモールの支援要請に応え、2001年より東ティモール大学工学部各学科のカリキュラムの策定、緊急無償資金協力による施設復旧・機材供与、電気・電子工学科に対して実習指導の専門家派遣を行ってきたところである。

東ティモール大学工学部は、東ティモール国内では唯一の公的高等技術教育機関であり、現時点で国内最高の工学系教育機関であるにも関わらず、教官のレベルは著しく低く、多くの者は中等教育レベルの数学や物理、英語の能力も身についておらず、また、指導計画に基づいた形式の確立した授業を行う等の、基礎的指導力も教官に望めない状況である。

このため、学生に対しても、高等教育レベルの工学教育を適切に行なえる状態になく、東ティモールの工学教育の正常な運営や、同国に必要な技術者の育成は、困難な状態となっている。

本プロジェクトにより、工学部教官の基礎的な指導能力が向上すれば、国内で必要とされる技術者の養成を行うことが可能となり、同国の発展に資するといった効果が得られることが見込まれる。

なお、日本は高等教育支援・工学系大学支援の分野では、タマサート大学工学部拡充計画(タイ)、日本情報工科大学プロジェクト(ポーランド)、高等教育開発計画(インドネシア)などの協力実績を有しており、今回のプロジェクトにおいても、事前評価調査の段階からそうした協力実績のある大学の参加を得る等、優位性を有している。

目標

上位目標:

工学部における教育の質が向上する。

プロジェクト目標:

工学部教官の基礎的な指導能力が向上する。

成果

  1. 教官が東ティモール国の工学分野のニーズにあった適切なカリキュラムとシラバスを作成できるようになる。
  2. 教官が基礎的な数学、物理、基礎工学および実験実施のために必要な基礎知識を修得する。
  3. 指導の質、指導方法、および実験資機材を含む指導教材が適切な管理体制の下で改善される。
  4. 将来の工学部において中心人物となる教官が、東ティモール大学外で学位を取得する。

活動

1-1.
カリキュラムおよびシラバス改訂のためのタスクフォース・グループを結成する。
1-2.
国内の工学分野における社会ニーズを把握するため、関係情報の収集、分析を行なう。
1-3.
上記分析結果を反映して東ティモール大学における工学教育方針を策定する。
1-4.
現行の東ティモール大学におけるカリキュラムおよびシラバスのレビューを行なう。
1-5.
カリキュラムおよびシラバスを改訂する。
2-1.
教官の工学分野における知識と技術のレベルを把握するために試験を実施する。
2-2.
トレーニング・コースの内容を決定する。
2-3.
トレーニング・コースの参加者を決定する。
2-4.
トレーニング・コースに参加する教官の講義スケジュールを調整する。
2-5.
基礎数学、基礎物理について指導を行なう。
2-6.
基礎工学科目について指導を行なう。
2-7.
実験内容・方法について指導を行なう。
2-8.
教官の習得状況をモニタリングし、必要に応じて指導内容およびスケジュールを変更する。
3-1-1.
授業参観を行ない、指導の質、指導方法および学生の理解度を評価する。
3-1-2.
指導方法に関する規準(スタンダード)を設定する。
3-1-3.
設定された規準に則った指導方法を訓練する。
3-1-4.
指導の質の変化についてモニタリング、評価する。
3-2-1.
現在利用されている講義用の参考図書と実験指示書をレビューする。
3-2-2.
講義ノートおよび実験指示書の内容について討議し、内容を決定する。
3-2-3.
講義ノートおよび実験指示書を作成する。
3-2-4.
新たに作成された講義ノートおよび実験指示書の効果をモニタリングする。
3-3-1.
実験用資機材の利用状況およびメインテナンス状況をレビューする。
3-3-2.
適切な実験用資機材の使用方法、メインテナンス方法について指導を行なう。
3-4-1.
指導の質を向上させるための活動内容を決定する。
3-4-2.
決定された活動内容を実施する。
3-4-3.
活動から得られた結果をカリキュラムへフィードバックする。
4-1.
留学候補者の選定を行なう。
4-2.
活動2を合わせて利用しながら)留学前の準備訓練コースを行なう。
4-3.
候補者は留学し、学位を取得する。

投入

日本側投入:

  1. 専門家派遣
    • 長期:1名×3年(チーフアドバイザー/調整員1名)
    • 短期:1名×18ヶ月(工学教育)14名×0.7ヶ月(機械工学) 13名×0.7ヶ月(土木工学) 13名×0.7ヶ月(電気・電子工学)
  2. 研修員受入
    • 教員合計 6名 (長期研修 土木工学:1名、機械工学:1名、電気・電子工学:1名、短期研修 土木工学:1名、機械工学:1名、電気・電子工学:1名)
  3. 機材供与
    • 日本国および東ティモール国間で合意されたプロジェクト実施に必要と判断される資機材
  4. 現地活動に必要な経費

相手国側投入:

  1. 要員配置:カウンターパート配置、(学部長×1、教員×50)
  2. 日本人専門家執務スペース
  3. プロジェクト実施に際してのローカルコスト(コピー代、プリンター、紙、発電用ディーゼル、文具用品等消耗品)
  4. 資機材メインテナンス(配電盤、ポンプの修繕費)