エクアドル地震津波プロジェクト本邦研修を実施

2019年9月25日

「エクアドル国地震と津波に強いまちづくり」プロジェクトにおいて、3回目の本邦研修が8月29日から9月10日までの13日間の滞在期間で実施されました。国家危機管理・緊急事態対応機関(SNGRE)から副長官と能力強化部長に加え地方事務所から2ゾーンのリスク管理部長、プロジェクトの1次および2次パイロット市およびガラパゴス特別区からそれぞれ1名の計12名のカウンターパートが参加し、日本の地震と津波に対する防災行政について研修を受けました。今回の研修では特に津波避難と防災アジェンダ(行動計画)に重点を置き、アジェンダの実施への学びを得ることを目的としました。

研修では、名古屋大学西川智教授、東北大学エリック・マス准教授による講義に加え、静岡県静岡市、沼津市、焼津市、吉田町、県、市、町の各レベルでの防災・減災計画や様々な取り組みについて説明を受け、様々な形態の津波避難構造物を見学しました。また、2011年3月の東日本大震災で甚大な被害をうけた宮城県では、石巻市での復興の様子、仙台市に震災遺構として残る荒浜小学校を見学し、被災当事者でもある案内役の方々から「避難への意識をもっと変えていられたら」という深厚な思いを聞き、研修参加者も強く心を打たれたようでした。

研修参加者からは、「土地利用計画の中に防災を盛り込む重要性を再認識した」「国・県・市・市民の各レベルでの責任分担と連携の大切さを学んだ」などの声が聞かれ、最終日に彼らから発表されたこれからの防災アジェンダ実施に向けた提案はそうした強い思いを反映したものとなりました。

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静岡県庁職員のご案内で、沼津市沼津港では津波対策施設と観光施設を兼ねた大型水門「びゅうお」を視察しました。

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沼津市内で山肌に設置された避難階段を視察しました。頂上まで登り、一時避難場所の広さを確認しました。

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静岡県知事を表敬訪問し、歓迎のお言葉をいただき、研修員代表のレオナルド副長官から感謝の意を述べました。

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静岡県静岡市清水区での津波避難タワー視察では、構造や収容人数、費用等、エクアドルに取り入れる際に生じうる現実的な課題に関しての質問が飛び交いました。

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焼津市長を表敬訪問し、市長からの歓迎を受け、レオナルド副長官から返礼としてエクアドルのお土産が渡されました。

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研修の中日にJICA東京で、これまでの学びを各市の防災アジェンダ作成・実行にどのように取り入れられるか、を議論しました。

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静岡県吉田町にある15基ある津波避難タワーのうち、歩道橋を兼ねたタワーKを視察しました。新たな土地収用を要しないタワーの形態として、参加者の関心を集めました。

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吉田町で視察した防災公園では、避難時用に設置されている「かまどベンチ」の使い方を試してみました。

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東北大学エリック・マス准教授から津波発生メカニズムと対策についてスペイン語で講義を受けた後、参加者は熱心に質問しさらに理解を深めていました。

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石巻市を見下ろす日和山から、津波後の街の写真と比較して、防潮堤に囲まれた地区内で復興が進む街の様子を見学しました。

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震災遺構である荒浜小学校では、どのように波が押し寄せ、住民と児童がどのように避難したかを、詳しくお話を伺うことが出来ました。

【画像】成果発表会・研修評価会にはハイメ・バルベリス在日本エクアドル共和国大使ご出席くださいました(後列右から6人目)。