首藤駐エクアドル日本国大使がプロジェクトサイトを視察しました

2020年1月23日

2020年1月9日~10日に首藤祐司駐エクアドル日本国大使が「地震と津波に強い街づくりプロジェクト」のパイロット市であるサリナス(Salinas)市と、プロジェクト実施機関である国家危機管理・緊急事態機関(SNGRE)、プロジェクト関連機関である海洋学研究所(INOCAR)を視察しました。

初日の1月9日はサリナス市を訪問し、シスネロス(Cisneros)市長とプロジェクトの進捗や防災についての意見交換を行った後、INOCARが作成したサリナス市の津波浸水マップを確認しました。サリナス市内の視察では、津波避難ルートやプロジェクトで設置した標高表示板を確認しながら、津波発生時の避難場所になっている岬の先端の丘陵エル・モロ(El Morro)まで海岸に沿って移動しました。また2017年に大使館により草の根・人間の安全保障無償資金協力によって贈与された緊急警報設備(サイレン)の市内の設置箇所を視察しました。

2日目は、INOCARとSNGREを訪問し、プロジェクトの進捗やエクアドルにおける津波監視や津波警報システムの運用体制を視察しました。INOCARではイダルゴ(Hidalgo)所長から、本プロジェクトの前身である「津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト」から続く日本の技術支援に対する感謝の意を示されました。INOCARの津波モニタリング室では、JICA課題別研修「地震学・耐震工学・津波防災」を修了し、日本で修士号を取得した3名勤務しており、日本の支援により近年エクアドルの津波監視、警報体制が大きく進歩したこと、またプロジェクトのパイロット市の津波浸水マップや津波情報の発信手順、発信される津波情報の内容などについて説明がありました。

プロジェクト実施機関であるSNGREでは、エルメネヒルド(Hermenejildo)次官をはじめとするプロジェクト関係者から、SNGREの業務概要やプロジェクトの進捗について説明がありました。本プロジェクトではパイロット6市とガラパゴス特別自治区を対象に「迅速な津波避難のためのマップ整備や訓練の実施促進」、「防災アジェンダの更新」、「建築制度の運用体制整備」の3つの成果を目指し活動を進めていますが、これまで順調に活動が進められていること、またプロジェクト、日本人専門家の支援により、一次パイロット3市における津波避難計画や防災アジェンダは大きく改善されたことが説明されるとともに日本の支援への感謝の意が示されました。

首藤大使からは各機関との意見交換において、エクアドルと日本は、1918年に外交関係を樹立して以来100年にわたり、政治、文化、経済、開発援助など様々な分野において交流を深めてきたこと、そして両国は災害多発国であることに触れられ、今後も防災分野を通じて交流を更に深めていきたいとコメントがありました。

お忙しいスケジュールの中、プロジェクトサイトを訪問していただいた首藤大使、また大使館関係者をはじめ、ご協力、調整いただいた各機関の皆様に感謝いたします。

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サリナス市長との会談

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津波避難ルートの視察

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岬の先端エル・モロの視察

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INOCARイダルゴ所長との会談

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津波監視、警報システムの確認

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津波浸水マップの確認

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SNGREでの会議

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災害監視センターの視察

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首藤大使とSNGREの関係者