プロジェクト概要

プロジェクト名

(日)地震と津波に強い街づくりプロジェクト
(英)Project for Safe and Resilient Cities for Earthquake and Tsunami Disaster
(西)Proyecto para la Construcción de Ciudades Seguras y Resilientes contra Desastres por Terremotos y Tsunami

対象国名

エクアドル共和国

署名日(実施合意)

2017年4月11日

プロジェクトサイト

アタカメス市、ポルトビエホ市、サリナス市、キト、グアヤキル

協力期間

2017年7月17日から2021年9月30日(4年間)

相手国機関名

国家危機管理庁(SGR)、都市開発・住宅省(MIDUVI)、アタカメス市、ポルトビエホ市、サリナス市

背景

エクアドル共和国(以下、「エクアドル」)は環太平洋地震帯に位置する地震・津波多発国であり、1906年及び1979年にコロンビア国境付近で発生した地震・津波で大きな被害が発生している(1906年の地震・津波による死者は1500人規模、1979年の地震津波による死者は600人規模)。エクアドルの自然災害は、地震、津波、火山、洪水、干ばつと多様であるが、海溝地震による大規模地震発生による地震と津波の被害が大きい。

JICAは、津波災害に対応するため、2014年〜2017年に国立理工科大学地球物理学研究所(以下、「IG-EPN」)、海洋学研究所(以下、「INOCAR」)、国家危機管理庁(以下、「SGR」)を実施機関として、「津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト」(以下「津波プロジェクト」)の実施、また、エクアドル国別研修「津波災害管理コミュニティ能力強化」を、エクアドル国内10市を対象とし本邦研修を実施しており、地震観測・津波解析技術と災害対応能力の向上に資する支援を行ってきている。

2016年4月16日夕刻、エクアドルのマナビ県北部を震源とするM7.8(米国地質調査所発表)の地震が発生し、死者660人超、避難者約3万人、住宅・学校等多数の建物において甚大な被害が発生した。JICAは同年6月に「地震・津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト」に関する運営指導調査団を派遣し「地震被災調査」と「国別研修モニタリング」の調査を実施した。その結果、「地震被災調査」において、地震及び津波による人的及び建築物の被害要因は、防災計画の策定がなされていない又は不十分な自治体があること、建築制度の適正な運用が図られていないこと等が挙げられた。

エクアドルでは、国家の中央防災機関はSGRであり、中央と地方自治体の防災に関する調整や防災計画策定の支援等の業務を実施している。また、都市開発・住宅省(以下、「MIDUVI」)は都市開発、建築制度を所掌する中央省庁であり建築基準の策定・普及等の業務を実施している。このような状況のもと、2016年、SGR及びMIDUVI連名で自然災害による被害を軽減することを目的とした技術協力プロジェクトの要請が提出され、2016年11月に先方政府に対し採択通報がなされた。その後JICAは、2017年1月、2月に詳細計画策定調査を実施し、その結果をもとにSGR及びMIDUVIとの間でプロジェクトの詳細を記載したRecord of Discussions(以下「R/D」)を2017年4月に締結した。

目標

上位目標

SGR及びMIDUVIの「災害に強い街づくり」に向けた取組みが全国で展開される。

プロジェクト目標

地震・津波による被害を軽減するためにSGR及びMIDUVIの市に対する技術面の支援体制が構築される。

成果

成果1:津波警報技術プロトコルにより発出された津波警報に基づき、市が住民を迅速に避難させる。
成果2:減災計画と事前準備に焦点をあてた市の「防災アジェンダ」が更新される。
成果3:「建築制度の運用ハンドブック」に基づき、市の建築制度の運用体制が整備される。

活動

成果1の活動

1.1.SGR、国立理工科大学地球物理学研究所(IG-EPN)、海洋学研究所(INOCAR)による津波警報技術プロトコルが、定期的なシミュレーション・避難訓練を通じて更新され、同プロトコルがSGRに承認されることをモニターする。
1.2.パイロット市が、SGRの支援のもと、津波避難にかかる住民の理解度ベースライン調査を実施する。
1.3.パイロット市が、SGRの支援のもと、観光客を含む住民との津波警報の伝達体制/プロトコル/避難計画を改善する(成果2の「防災アジェンダ」には避難計画が含まれる)。
1.4.パイロット市が、SGRの指導のもと、観光客を含む住民向けの防災教育資料を作成した上で住民啓発・津波避難訓練を実施する。
1.5.パイロット市が、SGRの支援のもと、津波避難にかかる住民の理解度のエンドライン調査を実施する。

成果2の活動

2.1.SGRが、MIDUVIやテクニカルメンバーの協力のもと、全国を対象にした災害種毎のハザード情報に関してベースライン調査を実施する。
2.2.SGRが、MIDUVIやテクニカルメンバーの協力のもと、所有するハザード情報から実施(Feasible)可能な「防災アジェンダ」(ハザードマップ作成・土地利用規制・開発規制・研修/教育研修等)の内容を理解する。
2.3.SGR及びパイロット市が、防災アジェンダの更新のため、JICAプロジェクト(ペルーCISMID等)の知見をレビューする。
2.4.パイロット市が、SGRの支援のもと、災害種毎のハザード情報に関してベースライン調査を実施する。
2.5.パイロット市が、SGRの支援のもと、被害を削減したい対象の絞り込みや重点対策を記した「防災アジェンダ」の基本方針を決定する。
2.6.パイロット市が、SGRの支援のもと、既存のコンティンジェンシープラン等をレビューする。
2.7.パイロット市が、SGRの支援のもと、減災計画と事前準備に焦点をあてた「防災アジェンダ」を更新する(更新した防災アジェンダは成果3にかかる活動に反映させる)。
2.8.SGRが、プロジェクトパイロット以外の市に向けた「地震・津波対象の防災アジェンダ更新ガイドライン」を作成する。
2.9.SGRが、プロジェクトパイロット市以外の「防災アジェンダ」の更新を支援する。

成果3の活動

3.1.MIDUVI及びパイロット市が、テクニカルメンバーと協同して建築許可/検査/使用許可制度の現状に関するベースライン調査を実施する。
3.2.MIDUVI及びパイロット市が、「建築制度の運用ハンドブック(案)」策定のため、エクアドル国外の建築行政にかかる法制度(建築士法、建設業法等)やJICAプロジェクトの知見(チリKIZUNA、エルサルバドルTAISHIN等)をレビューする。
3.3.MIDUVI及びパイロット市が、テクニカルメンバーの協力のもと、設計者、施工業者、その他関連協会等の意見を聞きながら「建築制度の運用ハンドブック(案)」を策定する。
3.4.パイロット市が、MIDUVIの支援のもと、「建築制度の運用ハンドブック(案)」に沿って市の建築制度運用計画を策定し、試行の上、更新する。 3.5.MIDUVI及びパイロット市が、テクニカルメンバーの協力のもと、設計者、施工業者、建設作業員、その他関連協会等向けの耐震技術・建築制度のセミナーを開催する。
3.6.MIDUVI及びパイロット市が、テクニカルメンバーの協力のもと、住民向けの耐震技術/建築制度の理解促進のための教材を作成する(エルサルバドルの教材を参考にする)。
3.7.MIDUVI及びパイロット市が、3.6.で作成した教材を用いて住民への理解促進と啓発にかかる活動を実施する。
3.8.MIDUVIが、パイロット市の協力のもと、パイロット市外のXX市(3市程度で整理する予定)に対して「建築制度の運用ハンドブック」に基づく運用計画策定を支援する。
3.9.MIDUVI及びパイロット市が、建築許可/検査/使用許可制度に関するエンドライン調査を実施する。

投入

日本側投入

・コンサルタント専門家(12名)
・長期コーディネーター
・短期専門家:日本からの各専門分野
・第三国からの短期専門家(過去のJICAプロジェクトのC/P等)
・資機材:本プロジェクトでは、各成果に対応した津波避難計画関連の資機材、防災計画関連の資機材、建築制度運用計画の資機材をJICAが調達し供与する予定である。
・在外事業強化費(調査、研修、実習、教材制作、関連資機材、備品等)
・カウンターパート本邦招聘、本邦研修(防災アジェンダ、建築制度運用等)
・第三国研修(エルサルバドル、ペルー、チリ)

相手国側投入

・プロジェクト・ディレクター及びプロジェクト・マネージャー
・プロジェクト・スタッフ(SGR、MIDUVI)
・プロジェクト・スタッフ(アタカメス市、ポルトビエホ市、サリナス市の防災、建築担当など)
・予算(プロジェクト実施予算等)
・プロジェクト事務所(SGR、MIDUVI、アタカメス市、ポルトビエホ市、サリナス市)