プロジェクト活動

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プロジェクト全体の流れ

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プロジェクトでは、2年間の実施期間の間に、チンボラソ県の農村における貧困削減の要員となる、農牧・環境・保健・教育といった複数の分野に対する総合的改善計画を策定し、実施するための行政組織間の協力体制を整え、事業実施能力を高めることを目指します。
具体的には、チンボラソ県審議会、農牧省、環境省、保健省、教育省をカウンターパートとし、その他の関連諸機関とも協力して活動を推進できる体制及び能力向上を、チンボラソ県審議会を中心に構築することとなります。
期待される成果は、「問題分析能力向上」→「事業計画策定能力向上」→「事業実施運営能力向上」という、事業実施におけるプロセスの重要な部分を強化することにあります。

農村においては、モデル村落としてチンボラソ県内の6つの村落を選定し、開発ニーズの調査、事業計画策定、および試行事業を行います。
持続的な発展には、住民主体による開発が不可欠であることから、プロジェクトの試行事業においては、参加型開発を推進することとなります。プロジェクト終了後も住民自らの行動により自立発展が行われるようになることが、農村における試行事業の目的です。そして、それを他の村落においても促すための手法とシステムを、カウンターパートである行政機関が得ることが、プロジェクトの目的となります。
プロジェクトの略称である「Minka Sumak Kawsay(よりよい生活のための協働)」には、そのようなプロジェクトの目的の意味が含まれているのです。

2年間のプロジェクトが成功し、実施体制及び事業実施能力が向上したことが確認できた場合には、試行事業の対象村落を拡大し、県全体における貧困削減のための開発事業実施能力を高めるため、後続フェーズのプロジェクトを実施する構想となっております。

MinkaSumakKawsay プロジェクトモデル村落地図

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実施体制

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プロジェクトでは、6つのモデル村落における、総合農村開発戦略を策定し、それに基づき農牧・環境・保健・教育の各分野での事業実施計画を策定して、試行事業を実施します。そのため、複数のカウンターパート機関からなる、プロジェクト運営・実施のための実施体制を整える必要があります。この実施体制の中心となるのが、チンボラソ県審議会であり、農牧省、環境省、保健省、教育省との連携を促進する役割を果たしています。

合同調整委員会は、チンボラソ県審議会と各中央省庁から成り、プロジェクトの評価と重要なテーマの承認等を行います。年2回、会合が開かれます。

プロジェクト運営委員会は、チンボラソ県審議会と各中央省庁の県事務所から成り、プロジェクト運営に関する様々な決定等を行います。月に一度、会合を開きます。

また、プロジェクトでは分野別のワーキンググループを設置しています。「プロジェクト運営」、「農牧」、「環境」、「保健」、「教育」の5つのワーキンググループを立ち上げ、分野ごとの関係者がこれに参加しています。これらは、必要に応じて会合が開かれます。
「プロジェクト運営ワーキンググループ」はチンボラソ県議会とJICA専門家から構成され、プロジェクト運営に関する実務的な協議を行います。それ以外の分野別ワーキン
ググループは、チンボラソ県の各分野の関連職員と、関連省庁の県事務所のスタッフ等により構成され、分野ごとの活動計画及び実施に関する実務的な協議を行い、また分野別開発計画の策定及び実施も行います。

プロジェクト活動は、それぞれのカウンターパート機関からの技術者および普及員が中心となって実施されます。

活動計画

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プロジェクトの活動は、6つのモデル農村における貧困削減のための、「問題分析」→「事業計画策定」→「事業実施運営」というプロセスで進められます。

問題分析の過程においては、ベースライン調査と問題ニーズの把握を行います。
ベースライン調査は、事業計画策定に必要となる基本的な情報(農村の現状把握)を得るのに必要であるとともに、将来実施される試行事業における変化を知る上で必要です。プロジェクトでは、村落の代表者への聞き取り調査、既存資料の整理、農村でのグループインタビュー、マッピング、戸別アンケート調査等を行い、これらの情報の取り纏めを行います。
問題ニーズの把握では、プロジェクト・サイクル・マネジメント(PCM)手法を用い、農村における参加型ワークショップを実施して問題ニーズの抽出と分析を行います。
事業計画策定の過程においては、まず参加型ワークショップを通して把握された問題ニーズを基に、総合農村開発戦略を策定します。
策定された戦略に基づいて、各分野の短期専門家の指導の下、分野別ワーキンググループが中心となり、更に技術的な調査を実施し、分野別の事業計画を策定します。その後、事業実施に必要な資金計画を策定することとなります。また、関係機関に対し、事業の実施を要請します。

事業実施運営の過程においては、モデル農村での試行事業の準備および実施が予定されています。これは試行事業ですから、終了後にはモニタリング・評価が実施され、その成果は最終的には県全体レベルでの総合農村開発手法案の策定に反映されることになります。

情報コミュニケーション活動

プロジェクトでは、複数のカウンターパート機関による実施体制を強化するには、情報コミュニケーション活動が不可欠と考えております。また、モデル集落とのコミュニケーションを維持することは、自立発展のモチベーションを高め、開発に必要な知識を得て、参加意欲および能力を高める上で必要だと考えます。
また、試行事業の中でも、成人教育の教材等、様々なメディアを利用した活動が考えられます。

現在、主に以下の活動を行っています。

  1. プロジェクト広報誌の発行
  2. 農村への掲示板の設置
  3. ラジオ放送
  4. パンフレットの配布、バナー他の広報活動

これらの活動はプロジェクトの枠組みには入っておりませんが、円滑かつ効果的にプロジェクトを実施するために有効であると考えています。

プロジェクト広報誌の発行

プロジェクトでは2ヶ月おきに、プロジェクト広報誌を発行し、カウンターパート機関、農村の人々、その他の関係者に配布しています。広報誌は、農村の人々が理解しやすいよう、スペイン語とキチュア語の二言語で書かれており、その内容は以下のとおりです。

  1. プロジェクトニュース
  2. プロジェクトの調査結果や解説
  3. 農村の人々に対する教育的記事(協力各分野)
  4. 農村の人々へのインタビュー
  5. カウンターパートへのインタビュー

プロジェクト側からの一方的な情報提供とならないよう、農村の人々やカウンターパートへのインタビュー記事を取り入れ、それぞれの立場からの意見や問題点などを関係者に広く知ってもらう工夫をしています。

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モデル農村の一つ、サラチュパ村で広報誌を読む住民

農村への掲示板の設置

プロジェクトでは、モデル農村の6村にそれぞれ、掲示板を設置しました。主に、プロジェクト発行の広報誌やプロジェクトからの連絡事項・情報などを掲示するほか、カウンターパート機関からの情報などを掲示します。 また、村人同士のコミュニケーションツールとしても自由に活用してもらいます。


モデル農村の一つ、セセル・サン・アントニオ村の掲示板

ラジオ放送

チンボラソ県には、農村の人々がよく聞いているラジオ局が複数存在します。これらを利用し、プロジェクトの情報や教育に資するような番組をプロジェクトで作成し、スペイン語及びキチュア語で放送することを計画しています。

パンフレットの配布、バナー他の広報活動

関係者のみならず、プロジェクトの活動を広く知っていただくため、プロジェクトのパンフレットを作成したり、イベント用のバナーなどを作っています。これらのツールもできる限り、スペイン語とキチュア語で作成します。

その他

その他、プロジェクト活動を進める上で必要なビデオやパンフレット等を利用した教材の製作を計画しています。これらは、農村部で活動する普及員が活用することで、より大きな効果が期待されると考えています。また、カウンターパート用の教材なども将来必要となると思われます。