大エジプト博物館との共同研究

2019年10月1日

ツタンカーメン遺物の分析

E-JUSTと現在建設中の大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum:GEM)の間で結ばれた覚書(Memorandum of Understanding:MOU)に基づき、ツタンカーメン遺物の分析がE-JUST技術部・分析センターで始まりました。ツタンカーメン関連などの貴重な遺物はエジプト国外に持ち出すことはできません。そのため、現存のエジプト考古学博物館から新しいGEMの展示室にこれら貴重な遺物を移設するにあたり、その保存・修復のために必要な化学分析をエジプト国内で行うのに最適な場所として、E-JUST技術部分析センターに協力依頼があったものです。これはE-JUST技術部のこれまでの実績が評価された結果でもあります。一般的な化学分析と異なり、試料の量が極めて限られていること、天然物を含む複雑な混合物であること、想定外の物質が含まれている可能性も高いことなど、高度な技術が要求される研究となりますが、エジプト随一の充実度を誇る日本製の先端分析機材、および本邦支援大学の協力を得てトレーニングを積んだ技術者、これらを揃えて整備された分析センターの強みを、JICAが支援する組織同士の協力の中で発揮できるよう、努力を続けています。

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クロマトグラフィーによる遺物の分析

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電子顕微鏡による遺物の分析