エジプト日本科学技術大学(E-JUST:Egypt Japan University of Science and Technology)新キャンパス開所式

2019年11月18日

11月18日、エジプト日本科学技術大学(E-JUST:Egypt - Japan University of Science and Technology)は、新キャンパスの開所式を行いました。式典には、エジプト国アブルナガ大統領顧問他政府関係者、在エジプトの各国アフリカ大使館代表、能化駐エジプト日本大使、佐久間JICA人間開発部長、在エジプトの企業の代表、日本学術振興会カイロ研究連絡センター、国際交流基金カイロ日本文化センター代表などの来賓が出席しました。式典ではE-JUSTで学ぶガーナ、エジプト、日本からのそれぞれの学生による、英語、アラビア語、日本語の3言語によるスピーチや、学生によるパフォーマンスなどが披露されました。アブルナガ大統領顧問は祝辞において、先月他界された緒方貞子元JICA理事長との長きに亘る友人関係に触れながら、E-JUSTの今後の発展について期待を述べられました。

開所式に合わせ、JICAの無償資金協力「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」の太陽光パネルの披露も行われました。今後、供与された太陽光発電システム一式を通じた教育・研究活動や再生可能エネルギー利用に関するエジプトの人々の意識啓発が図られることが期待されます。

E-JUSTは、エジプト、日本両国政府の二国間協定により、エジプト国アレキサンドリア県ニューボルグエルアラブに2010年に設立されました。日本政府は2008年からJICAによる技術協力プロジェクトを実施しています。日本の支援大学(現在は13大学)の協力を得て、実践的な工学教育や日本式の研究室教育の導入など、大学院・学部の運営支援を行っています。現在、工学系大学院、工学部、国際ビジネス人文学部を中心に500人の学生が学んでいます。また、これまで27人のアフリカ各国からの留学生受入を行っており、先日のTICAD7でエジプト・日本両政府から発表された、科学技術人材育成のためのE-JUSTにおけるアフリカ留学生受入(150人)を2020年9月から順次実施すべく準備を行っています。E-JUSTはエジプトのみならずアフリカ、中東地域の科学技術の拠点として今後も発展していくことが期待されます。

新キャンパスの建設はエジプト側予算により2015年に開始され、フェーズ1の工事が完了しつつあります。南北約1.1km、東西0.7km、総面積84万平方メートルの広大なキャンパスの中に、教室・実験室棟、四つの大型レクチャーホール、図書館、学生サービス施設、アドミ棟、Center of Excellence(COE)棟が建設されており、9月から既に授業・実施での利用が開始されています。今後、実験室には、日本の無償資金による機材が設置される予定で進められており、充実した実験実習環境に加えた、環境・安全に配慮したユニークな施設を目指しています。

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新キャンパスのテープカット。アブルナガ大統領顧問、能化駐エジプト日本大使、佐久間JICA人間開発部長、ゴハリE-JUST学長

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新キャンパスの説明の様子

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祝辞を述べる佐久間JICA人間開発部長

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TICAD7で発表された150名のアフリカ留学生受入について説明するE-JUST鈴木副学長

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電子系実験室(無償資金協力による実験・実習機材)

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新キャンパスで授業を受ける国際ビジネス人文学部の学生

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完成した太陽光設備の下でのテープカットの様子