広島大学によるオンライン「平和学」講義

2021年4月16日

2021年3月25日から2021年4月15日までの4週間,E-JUSTリベラルアーツ・カルチャーセンター(LACC)が提供するリベラルアーツ必須科目「平和学」のコースへの協力として、広島大学の川野徳幸教授・「平和センター」センター長、片柳真理教授、山根達郎准教授、掛江ともこ准教授による「平和学」のオンライン連続講義(全4回)が実施されました。

「平和学」という科目は、政治学などを専攻していないエジプト人の学生には、あまりなじみのない科目ということもあり、各講義では、様々な切り口で「平和学」の入門的な内容が概説されました。

3月25日(木)、片柳先生の授業では、「国際的な平和構築と日本の経験」と題して「国際的な平和構築」が、民主化を含む様々な要素により構成されていることが説明され、そのうえで、江戸時代からの日本の民主化の過程を振り返りながら日本の経験を学生に講義して下さいました。また、ビジネスと平和などの関係に触れるなど、エジプト人の学生に興味を持ってもらえるような話題を盛り込んだ講義をして下さいました。

4月1日(木)、川野先生の授業では、「平和とは何か?平和学とは何か?平和の概念」と題して、平和学に関する基礎的な概念を講義して下さいました。講義の中で、川野先生は、エジプト人の学生に「あなたの考える平和とはどのようなものですか?」と繰り返し問いかけられ、国や文化によって、「平和」の概念が異なることが説明されました。

4月8日(木)、山根先生の授業では「平和と紛争の歴史、国際社会における平和と紛争」と題して、前半部分では、平和と紛争の歴史として、主権国家体制の誕生が解説され、後半部分では、冷戦後の状況が解説されました。講義のなかで、「主権国家体制」、「帝国主義」、「ナショナリズム」、「国際秩序」などの基礎的な専門用語についても説明がされました。

4月15日(木)、掛江先生の授業では、「紛争解決の理論と実践」と題して、紛争解決の理論と実践を、対話的なアプローチの重要性、日本と周辺諸国との事例、エジプトとイスラエルの事例などを取り上げながら、解説して下さいました。講義では、こうした事例や理論を解説するだけではなく、個人の経験に焦点を当てたエクササイズを盛り込むなど、紛争解決の理論が学生自身の実感をもって学べるような工夫をして下さいました。

このように本プロジェクトでは、LACCが提供するコースの支援を通じて、リベラルアーツ教育の全学体制での導入を目標に掲げています。それにより、E-JUSTが創造性に富んだ教育・研究環境を提供し、エジプト国内のトップレベルの研究大学として発展するように支援しています。

【画像】3月25日(木)片柳先生の講義の様子

【画像】4月1日(木)川野先生の講義の様子

【画像】4月8日(木)山根先生の講義の様子

【画像】4月15日(木)掛江先生の講義の様子