国際会議JAC-ECCの開催

2021年12月20日

12月13、14の両日、エレクトロニクス・通信・コンピュータ分野の国際会議であるJAC-ECC 2021(Japan-Africa Conference on Electronics, Communications and Computations 2021)が、E-JUSTと九州大学の共催で開催されました。この国際会議は2012年に始まったJEC-ECC を含め、今回で9回目ですが、コロナ禍により昨年に引き続きオンライン開催となりました。オープニングセッションでは、エジプト情報通信省代表からのメッセージが寄せられ、同省の管下のIT振興プロジェクトにE-JUSTから多くの参画がある点がハイライトされました。

今次会議では、6人のキーノートスピーカー、10のテクニカルセッション、4つのワークショップが開かれました。AI, communication systems, signal, image and video processing, circuits and systems, microwaves and antennas, embedded systems, internet of things(IoT), biomedical engineering等 幅広いテーマから、最新の研究成果が発表されるとともに、特にAIを利用した病院での患者の健康管理システム、AIの農業への応用などが取り扱われました。65編の投稿があり、49編がアクセプトされました。

国際会議全体のチェアはE-JUST の電気・電子・情報学類長であるアボザハッド教授、日本側は九州大学 金谷晴一教授に対応いただき、スピーカーはエジプトをはじめ、日本(九州大学、福岡大学、大阪大学)、カナダ、アメリカからの参加があり、エジプト・日本双方の協力により国際会議を円滑に進めることができました。

今般、コロナ禍にもかかわらずE-JUSTを訪問中で、会議組織委員会委員を務めた九州大学 浅野教授は、Keynote Session 2他のCo-chairを担当され「コロナ禍の中、昨年に引き続き遠隔での開催を余儀なくされたが、今年度も継続でき、多くの投稿があったことは素晴らしく、エジプト側、日本側の関係者の努力に感謝したい。今回もAI、5G、IoTなどエジプトの産業の競争力確保に欠かせない技術について、多くの有効な知見が共有されたと思う。会議の質も少しずつ向上してきているので、さらなる向上に向けて助言をしていきたい」と語っておられました。

また、参加者の一人タンザニアからの留学生モーゼス氏は、アルジェリアで学士を取得後、TICAD7奨学生として今年10月にE-JUSTの修士課程に入学し、アボザハッド教授の指導の下、病院における患者情報の自動統合管理システムに取り組んでおり、会議でも積極的に質問をしていました。彼はタンザニアで医療システムの導入に既に取り組んでおり、E-JUSTでの研究が本国での活動につながるのだと話してくれました。

今回の国際会議は、E-JUSTと九州大学の協力により既に9年間継続しており、E-JUSTが本邦大学と直接の連携を深めていく上での好事例と言えます。今後、さらなる拡大が期待されます。

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オープニングセッションでの後藤副学長のメッセージ

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オープニングセッションでの情報通信省からのメッセージ

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E-JUSTにて会議に参加する九州大学 浅野教授

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会議全体チェアのアボザハッド教授とタンザニアからの留学生モーゼス氏

【画像】E-JUST 電気・電子・情報学類の会議主催メンバーと鈴木、後藤両副学長、渡邊チーフアドバイザー