ジョモ・ケニヤッタ農工大学からのケニア人留学生の博士取得

2022年1月15日

E-JUSTでは2016年からアフリカ各国の留学生受入れを開始し、アフリカにおける科学技術人材を育成し、将来の科学技術ネットワークの構築に貢献することを目指しています。ローレンス・ングギさんは、日本が長年にわたって協力を行っているケニアのジョモ・ケニヤッタ農工大学(JKUAT)からエジプトに来訪、2018年9月からE-JUSTで博士課程をスタート、2021年12月末に博士論文の最終審査会を無事終了し、博士号が与えられることになりました。

JKUATで准講師だったローレンスさんは、当時JKUAT/PAUSTI(汎アフリカ大学東部拠点)プロジェクトの角田リーダーからE-JUST行きを度々勧められ留学を決意したとのこと。E-JUSTでは集中して勉強できる環境があり、ジャーナルへの投稿3本、学会発表も行い、着実に研究を進めてきました。一方、2020年3月からのコロナ禍により、以前から期待していたアドバイザーである九州大学 島田教授の研究室への数ヵ月の研究滞在は、残念ながら実施できない状況となりました。しかしながら、ロックダウンは確かに厳しいものがあったが、他に行くところも無いので、かえって研究に集中することができたとローレンスさんは前向きでした。

ローレンスさんの研究テーマ“Detection and Recognition of Diseases in Horticultural Crops Using Deep Learning Techniques”は、園芸作物の病気の状況を、葉の画像解析により判定するアルゴリズムにかかる研究であり、将来的には精度を上げ、自動巡回装置(ロボット)にカメラを取り付けるなどし、実用化につなげていきたいと話していました。

ケニアとは状況の異なるエジプトで、指導教官をつかまえるのに苦労したり、ロックダウンでストレスもあったとのことですが、ほぼ3年で見事に博士の取得に到達しました。JKUATに戻ってからも、引き続きE-JUSTや九州大学とは交流を続け、学生の共同指導や共同研究などができればと話されていました。

ローレンスさんは博士号を取得したことから、今後はJKUATの大学院生の指導を行うことができるようになるとのこと、今後の教育・研究面での活躍とともに、E-JUSTとJKUATそして本邦大学のネットワーキングの橋渡し役としても期待したいと思います。

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博士論文審査会にて

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博士論文審査会にて

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発表後に指導教官陣と

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JICAプロジェクトへの最終報告後、プロジェクトメンバーと