エジプトの米は日本から−エジプトの農業と稲作、日本の協力−(その2)

2008年10月22日

2 エジプトにおける稲の品種
エジプトで栽培されている米の約8割は日本と同じジャポニカ米で、主として国内で消費されています。約2割のインディカ米は主に輸出されています。
エジプトの米は、1917年にYabani(ヤバニ)という品種名の日本のジャポニカ米を元に品種改良が進められました。「ヤバニ」はアラビア語で「日本」です。中でも、1954年、Yabani M47がNahdaと命名されてエジプト政府の栽培奨励品種となり、約20年間、エジプト稲作の基幹品種となりました。一時は、全作付面積の95%に普及したほどです。その後、同品種を親として育成されたGiza171及びGiza172が主要品種となっています。この間、外国種と交配し輸出用として長粒品種が数種育成されましたがほとんど普及しませんでした。1970年代後半、日本から「レイホウ」という品種がGiza173として導入され、1980年代半ばには作付面積の約4割を占めるまで普及しましたが、1985年に「レイホウ」のみ稲熱(イモチ)病が大発生したため、1986年からエジプト政府が作付けを禁止しています。それ以降は、イモチ病抵抗性強化が主目標になり、再び長粒品種が作付けされるようになりましたが、エジプト国民には食味の点で好まれていません。

3 稲作分野の日本の協力
稲作に関する日本の技術協力は、主に生産段階の技術向上を目指す「機械化計画」と収穫後の処理技術向上を目指す「精米処理」の2分野で実施されてきました。特に機械化計画では、技術協力プロジェクトを1980年代から1990年代初頭にかけて10年にわたって実施し、途中、無償資金協力による施設建設及び改修を行うことで、稲作機械化に係る営農技術、機具の保守・操作、機械化に適した品種実験、経済的考察等が行われ、機械化農法の確立に至っています。
エジプトに対する稲作分野の直接的な協力は、1996年の無償資金協力「米作機械化センター建設計画」フォローアップを最後に終了しており、また、農業機械などを供与する食糧増産援助(現在の「貧困農民支援」)の対象作物についても1995年度から米は外れています。他方、1987年から稲作技術、1994年から精米処理に関するアフリカ向け第三国研修が実施され、日本はこれらの実施を支援しています。

(参考) 日本の協力実績(稲作関連概略)
(1) 米作機械化
1981年〜1992年 技術協力プロジェクト「米作機械化計画」
1982年〜1996年 無償資金協力「米作機械化センター建設計画」
*設計〜フォローアップまで断続的に実施

(2) 精米処理
1983年〜1985年 無償資金協力「精米技術訓練センター建設計画」
1994年〜2003年、2007〜2009年 アフリカ向け第三国研修「精米処理技術」

(3) その他
1990年〜1992年 無償「米貯蔵センター改善計画」
1987年〜2006年 アフリカ向け第三国研修「稲作技術」