エジプト国(以下、「エ」国)では、1990年代に上下水道分野での行政組織の非効率・事業経営の財政破綻が明らかになり、行政改革が進められてきた。それまでの行政県を単位とする上下水道部局直轄による運営から、県単位で設立された上下水道公団・会社による運営に切り替えられた。公団化・料金改定は地方自治体の直轄運営からの経営面及び財務面での独立を目指すものであったにもかかわらず、現状は結果的に全ての事業体において経営収支は赤字で、運営・維持管理の費用が料金収入でまかなえず、それに伴い整備された施設・配水管網も適切な維持管理ができない状況となっている。
シャルキーヤ県は人口約500万人を擁す…