ESMATEから地域への発信−ゆくゆくは世界を視野に−(第30回ラテンアメリカ算数・数学教育学会編1))

2016年7月20日

2016年7月11日から15日までの5日間メキシコのモンテレイで開催された第30回ラテンアメリカ算数・数学教育学会にエルサルバドル教育省技官及びエルサルバドル大学教授とともに参加しました。同会議には地域の18か国から770名の算数・数学教育を専門とする大学教授、教員、学生等が集まり、同域内での数学教育に関する研究発表のほかグループディスカッション、ワークショップ、新教材の提案など多岐にわたる内容が扱われます。
今回の参加はプロジェクト人材育成を通してのプロジェクト活動実施の円滑化を主とし、2つの目的を定めました。一つ目は域内の数学教育の動向や最新のトレンドを把握すること、2つ目は参加・発表を通じ自分たちの立ち位置を認識し、それぞれ自分たちの強みおよび改善点を把握することです。
域内の傾向としては、エルサルバドルの傾向と同様で、数学の活用や自然現象を数学的に表現することなど実生活に役立つ算数・数学が重視されていること、しかしながら理論先行で具体的な提案が不足していること、学習過程を視点とした検証が不足していることが挙げられ、各国が同様の傾向そして課題を有していることが確認できました。また、多くの国で日本型の問題解決型の学習をベースとした指導法が導入されていること、また、教師教育の手法として授業研究に取り組んでいることが確認できました。
これらから多くの技官が報告書で記載していることは、エルサルバドルの政策、プロジェクトの戦略は域内の傾向と合致していること、そして学習者に焦点を当てている点についてはプロジェクトが先行していることです。これらは自分たちの立ち位置を確認するのに役立ちました。また、自分たちの改善点として多くの技官が調査研究に基づいた活動実施を上げており、今後のバリデーション活動での改善が見込まれるとともに、将来的なアセスメントに基づいた改訂プロセスの素地となっていくことでしょう。

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エルサルバドルからの参加者。

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学習改善に向けたプロジェクト戦略を発表する。教育省技官