ESMATEから地域への発信−ゆくゆくは世界を視野に−(第30回ラテンアメリカ算数・数学教育学会編2))

2016年7月25日

今学会ではエルサルバドルからの3つのワークショップ、5つの簡素な研究および教育戦略発表を行いました。
ワークショップは3時間割り当てられることもあり、具体的な教材や学習内容の指導順序などを提案することを主な目的として、「順列・組み合わせ等に関する指導順序の提案」、「代数学の学習を改善するための教具の提案」、「初等教育におけるガウス和と代数学の導入」に関する発表を行いました。同時刻に並行して20近くのワークショップが開催されるため満員御礼とはなりませんでしたが、実際の学生の反応に関する質問がなされるなど関心が寄せられました。
また、5つの簡素な研究発表では「エルサルバドルにおける数学カリキュラムの改訂戦略」、「学習改善戦略」、「教師教育戦略」、「現職教員研修における問題解決学習モジュールの活用」
「解析幾何学の導入における問題点と2つの提案」について発表されました。持ち時間が12分と短いため十分に議論を深めることはできましたが、特に戦略に係る発表ではなぜ日本が数学を支援するのかといった質問が多く寄せられ、日本の系統だった数学教育を域内にPRする良い機会ともなりました。
今回のラテンアメリカ算数・数学教育学会では参加者すべてが発表し、自信を深めるとともに、以降の学会に向けて、「より学術的な理論武装をして発表に臨もう」「より調査結果に基づいた研究について発表しよう。」「12分じゃ物足りない。次はワークショップだ。」との意欲見せています。次回は2017年7月31日から8月4日までペルーのリマでの開催。プロジェクトの活動と絡めてどのような調査研究ができるか楽しみです。
また、参加の副産物として域内の人脈作りにも成功し、特に新規教員養成にかかわる域内大学教授などはプロジェクトの軸足が教材作成から教員養成に移行する2017年以降の活用が見込まれています。

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解析幾何学の導入における問題点と2つの提案」発表者

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順列組み合わせ等に関するワークショップ発表者