第3回中米広域数学教育セミナーその1「すごいぞホンジュラス!ニカラグア!グアテマラ!」

2018年12月7日

12月6、7日の両日、2016年から数えて3回目となる標記セミナーがエルサルバドルで開催されました。中米広域プロジェクトからグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアの3か国の教育省技官や大学関係者が総勢18名参加。エルサルバドルからは全国14県から指導主事、校長、教員、研修ファシリテータ-の代表者約200名が参加しました。

開会式では藤城JICAエルサルバドル事務所長が歓迎の言葉を述べた後、樋口在エルサルバドル大使、カンフラエルサルバドル教育大臣から開会のお言葉をいただきました。その後、森下(JICA人間開発部)次長が学びの改善を重視したJICA教育協力戦略について講演しました。

全体発表では、まず広域参加国のグアテマラ、ホンジュラス、ニカラグアから教科書開発のポイントや苦労したところ、工夫したところが共有されました。この発表で特に目を引いたのは各国共通してベースライン調査や授業観察の結果(エビデンス)に基づいて教科書で提示する問題のレベルを検討していること。重要視していた点がしっかり入り、カウンターパートの視点がより現場に近づいていることが伺えました。また、各国カウンターパートの成長にも目を見張りました。例えばこれまで中米各国の数学教材で扱われる問題の数字は適切ではないことが多く、いたずらに大きな数値を扱っていたりわざと計算を煩雑にする傾向があり、結果として計算機が必要となったり、授業目標達成の阻害要因となったりしていました。プロジェクト開始当初は適切な数値を使った問題を作るのに苦労していたカウンターパートが、今となっては立派に適切な数値の重要性を説く姿には成長の跡が見られました。また、ニカラグアやホンジュラスでは小規模なサンプルですが、正答率の向上が確認された設問もあり、質の高い発表となりました。なお、同広域セミナーの様子は教員の協力を得てyoutubeでライブ配信されました。(その2に続く)

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カンフラ大臣挨拶の様子。

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ニカラグア発表者の様子。会場に入りきれず、エルサルプロジェクトのメンバーは廊下で耳を傾けました。