全国小学校教員へ教材伝達研修実施に向けたファシリテーター研修スタート

2018年12月13日

2019年1月の小学校教科書の全国配布及び伝達研修実施を控え、11月20日よりファシリテーター養成研修をスタートしました。全国の小学校教員数は複式学級などの重複分を含めると延べ3万名強。この対象者をカバーするために全国14県でおよそ1,000名のファシリテーターを養成します。実施に向けてプロジェクトでは9月から県教育事務所を訪問し、計画の説明、日程調整、ファシリテーター候補選定等各県で実施計画を策定してきました。中学校教材普及の活動を通じて県教育事務所とは円滑な連携が保たれ、伝達研修の経験も蓄積されていますが、今回は対象者数が中学校に比べておよそ10倍にのぼることに加え、研修できる日数が限られていることから、各県実施可能な研修形態について悪戦苦闘しながらも創意工夫を凝らして実施しています。

例えば、アウアチャパン県やカバーニャス県ではプロジェクトが提案した4時間×2日間では不足すると考え、8時間×2日間の日程で実施しました。また、各県の中学校教材普及活動で養成したファシリテーターのうち、優秀だった人材やインパクト評価で優秀だった教員を小学校のファシリテーターとして選定しており、各県にプロジェクトの理念・戦略を理解したコアな人材が育成・認識され、かつ活用されている様子が確認できました。

エルサルバドルの研修活動では講師に謝礼が支払われる場合も多くありますが、今回は講師への謝礼等の支払いはありません。それにもかかわらず、例えばカバーニャス県では、講師たちから「1月に2日間しか研修できないのはもったいない。もっと研修するべきだ。」と前向きな声が上がっていたり、そもそも研修ファシリテーターの多くは教員ということで、参加強制力は半日の5時間しかないにも関わらず、大部分の教員が8時間フルに参加していたりと教員たちの熱意と献身性に頭が上がりません。本番は1月ですが、今から成功が期待されます。

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サンミゲル県では4時間×3日間に日程で実施。教員が問題を解くことの重要性を認識し、ペアで解きながら教材研究する様子。

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ソンソナテ県では150名あまりのファシリテーターを選定し、養成します。写真は研修マニュアルを読んでいる様子。

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サンビセンテ県では8時間×2日間の研修を実施しました。中学校教員やインパクト評価に参加した教員も多くみられます。